夏の日のフォスティーヌ

劇場公開日

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解説

女流監督としてデビューしたニナ・コンパネーズが、十六歳の少女が大人になっていく姿を、南フランスの田園の避暑地を背景に描く。製作はマグ・ボダール、ミシェル・ショケー、フィリップ・デュサールの三人。脚本はコンパネーズ自らが執筆し、ギスラン・クロケが撮影を担当。出演はミュリエル・カタラ、ジョルジュ・マルシャル、モーリス・ガレル、クレール・ベルネ、フランシス・ユステールなど。

1971年製作/イタリア・フランス合作
原題:Faustine Of The Bel Ete
配給:CIC

ストーリー

パリに住む十六歳の少女フォスティーヌ(M・カタラ)は、年頃の少女が誰でも夢見るように、すばらしい恋、バラ色の人生を夢見ていた。ベッドの中で読む小説の中に自分を置いて、恋人との会話を自分で演じ涙を流す、そんな、大人になりかけのやるせない心境で夏を迎えた彼女は、この夏休みを田舎の祖父の所で過ごすことになった。駅頭で、従妹たちを迎えにきた青年ジョアキム(F・ウステー)に声をかけられるが、彼女は、それがこのひと夏を左右する一家の一人であることには気づかない。フォスティーヌは田舎に着いたその日から、緑と花に囲まれた田園を歩き廻った。そんなある日、湖で一組の男女がたわむれている姿を目撃した彼女は、好奇心をおさえ切れずに二人の後をついていく。二人は青い門の家に入った。そこは、ジャン(M・ガレル)とジュリアン(G・マルシャル)という、大学教授の兄弟が住む館だった。ジャンには二十歳と十八歳の息子、再婚した二十五歳の妻とその間にできた六歳の娘があった。ジュリアンには、十八歳と十六歳の娘があり、彼は離婚したままだった。フォスティーヌは、この一家に興味を覚え、心ときめかせながらも冷静な表情で、家族の人々のおりなす愛のかたちをのぞくのだった。ジャンの息子ジョアキムはフォスティーヌに好意を持ち、彼女を幾度となく誘うが、彼女はわざと意地悪くした。相変わらず森の中を歩き廻っては一家のプライバシーをのぞく毎日が続いていたある日、彼女は一人、湖へいき、裸になって雨に打たれながら声をあげて泣いた。そこにジュリアンが通りかかり、着ていたセーターをやさしくフォスティーヌにかけてやる。渋い中年の魅力を持つ彼に、フォスティーヌは、夢見ていた恋、バラ色の人生を見出して胸をときめかせて家に帰った。翌日、セーターを返しに青い門の家を訪れたフォスティーヌは、そこで、息子と恋を語る若い母、町であった若者と恋におちたアリアンヌ(M・エジェリクス)などの愛の姿を克明に観察する。そして誰もいないジュリアンの部屋に忍び込むと、寝ている彼の枕の上に、髪に結んだリボンを置いて立ち去った……。このインテリジェンスにあふれた大学教授一家の人生模様こそ、まさにフォスティーヌの知りたいことが満ちあふれていた。姉妹たちとの何げないつきあい、ジョアキムの熱い視線、母を恋するジョアキムの弟、彼女の理想の男性ジュリアン……。そんな彼女に、夢と現実の違いにめざめる時がきた。ジュリアンの娘たちに招待されたパーティーにフォスティーヌは、白い長いドレスを着て最高のおしゃれをして訪ねたが、若者たちも、ジュリアンさえ彼女を夢の主人公にはしてくれなかった。さなぎから抜けでたフォスティーヌも、夏の宴と共に、いよいよ大人への第一歩をふみだしたのだ。

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