シンデレラ(1976)のレビュー・感想・評価
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夢の入り口
福岡市の歓楽街、中洲にはかつて映画館がひしめき、いい映画は家の近所の映画館では、やっていなかった。当時私は田舎の方に住んでいたが、一番近い映画館でも雑餉隈という街に行かなければ見ることが出来なかった。
ある日母親に幼い妹と連れられて、中洲まで映画を見に行った思い出の映画がこの「シンデレラ」お話自体は絵本なんかで知っていたつもりだったものの、子供心に不思議だったのが、かぼちゃが馬車に代わる魔法だったり、ガラスの靴が、他の誰にも履くことが出来ないといういきさつ。いくらでも成りすましできるじゃん。と思ったものだが、それでも衣装の華やかさ、音楽の素晴らしさはかすかに分かった。本当のお楽しみは、そのあとにデパ地下で食べるお好み焼きだったりしたのだが、現在では天神パルコになってしまっている場所は、かつて岩田屋という百貨店で、(ま、今でも少し外れた場所に存在はするが)そこの地下に、味のタウンなんて飲食店街があって、夢のようなお菓子の国がそこにあった。
そして、意味不明の1メートルほどの段差を上がるために短いエスカレーターがあり、今でもそれがあるのがなんとも不思議な感覚だ。40年以上も昔なのに。
食事がすむと、おもちゃ売り場に直行し、何も買ってもらえないのだけれど夢中で見つめた。そして、屋上のプレイランドで、チューハンターという甘めの射的ゲームで腕試しをして、景品のお菓子を取るのが楽しかった。まだインベーダーゲームすらも無かった時代だ。
そんな時代の、思い出のページにこの映画は存在する。そのころから、ディズニーの理念は変わっていないのだ。映像や、映画という施設自体はずいぶん進化しても、家族で楽しめるエンタテイメント、空間、魔法にかかったようなひと時を提供する、夢の国。
ただし、私はミッキーマウスよりも「トムとジェリー」に夢中だったけど。
2018.9.15
He/She Danced With Me
やはり見せ場は《舞踏会のシーン》
シンデレラ(クレヴィン)が現れる迄は 定番スタイルのダンスなのだが、その登場と共に振り付けも激変する
彼女と王子のダンスには(フェアリーの仕掛けによるものではない)恋の魔法にかかる瞬間が表現されており、輪が拡がるにつれ みるみる群舞も生気をおびる
ダンスで恋に落ちるシーンは 多くの映画にあるが
〈誰の目にも明らかなこと〉として観客にも〈感じさせる〉ところがすごい
シャーマン兄弟の名曲が 最高に輝く瞬間でもあるし、振り付けも素敵
(彼等が脚本に参加していることも関係しているのだろう… )
シンデレラも可憐、衣裳/装飾も豪華、ロケーションも素敵
ロイヤルバレエ団も活躍してるし 傍役もガッチリ固められている
王子役のリチャード・チェンバレンが懐かしくて観てみましたが、彼が英国人ではなく アメリカ人で甘い歌声なのも知りました
キャリア途中で 活躍の場を、アメリカから英国に移したのも 大正解のような気がします
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