「【”真実と解放。”今作は緊迫感が尋常でない心理サスペンスであり、ラストの解釈は観る側に委ねられる作品である。】」死と処女(おとめ) NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”真実と解放。”今作は緊迫感が尋常でない心理サスペンスであり、ラストの解釈は観る側に委ねられる作品である。】
■嵐の夜にポリーナ(シガニー・ウィーバー)は夫の帰りを待っていた。だが、彼女の様子は何処かおかしい。夕食のチキンを一人で納戸の中でワインを飲みながら食べている。
やがて夫ジェラルド・エスコバル(スチュアート・ウィルソン)は、タイヤがパンクしていたところを助けてくれたという男ロバート・ミランダ(ベン・キングズレー)の車で帰ってくる。
その男の声を聞いた瞬間、ポリーナは咄嗟に隠れるのである。男は一度は車で帰るが、再び戻って来てジェラルドの誘いにより部屋に入るが、突然ポリーナは彼を昏倒させ、椅子に縛り付けるのである。
そして数十年前、自分を拷問した男だと言い、拳銃を振り回し男に真実を告白するように迫るのである。
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・序盤から、緊迫感が凄いのだが詳細が上手く描かれない。敢えての演出なのだろうが。
・且つて”解放”という反政府組織の新聞を発行していたジェラルドの恋人か妻か同志かは分からないが、ポリーナは当時の政府から監禁、拷問を受けた事で心理的に病んでいる事が分かる。シガニー・ウィーバーが、その様を迫真の演技で見せるのである。
・一方、ロバート・ミランダは一貫して自分は無関係だと言い続けるのである。演じているのがベン・キングズレーなので、どちらの言い分が本当なのかは分からないのである。
・途中で形成が逆転をする事もあるのだが、ロバート・ミランダは再び捕らえられる。彼の言い分ではポリーナが拷問を掛けられていた際には、外国に行っていたというのだが、ポリーナはそれを信じない。だが、ジェラルドが彼が言っていた病院に電話をすると、女性の総務部長は、その時期に彼はいたと述べるのである。
それを聞いたジェラルドは、ロバート・ミランダを断崖に連れて行くポリーナにその事を伝えるが、ポリーナは”予め、用意していた事。”と言い聞く耳を持たないのである。
■だが、ポリーナはロバート・ミランダを断崖絶壁に連れてはいくが、そこで彼の縄を解き、フラフラと戻って行くのである。
呆然とするジェラルドと、ロバート・ミランダ。
そして、ラストシーンではオーケストラが演奏する会場に移り、ポリーナとジェラルドは一階で。ロバート・ミランダは家族と共に二階でその演奏を聴いているのである。
<今作は緊迫感が尋常でない心理サスペンスであり、ラストの解釈は観る側に委ねられる作品である。>
