劇場公開日 1993年5月15日

「至極の感動作」ロレンツォのオイル 命の詩 HGPomeraさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0至極の感動作

2025年7月8日
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鑑賞方法:その他

泣ける

幸せ

癒される

本作は私の映画人生において、最高の映画No.1です。
その評価は、鑑賞して長年の時を経ても変わっていません。

私は親の影響で、映画に触れること鑑賞することを、習慣のように好んでいました。
当時はエンターテイメントの王道のようなアクションやコメディに心躍らせていましたが、ふとした時期に、「他(アクションやコメディ以外)の映画も観てみようかな」と思い、レンタルビデオ屋さんで選んだ作品が「ロレンツォのオイル」でした。

ノンフィクションや社会派のような物語の映画には触れることがなかったため、「実話」「感動できるかも」……との気持ちでレンタルしたと思います。
それに私の中では主演夫婦役のニック・ノルティさんが、当時48時間のイメージが有り、その事も鑑賞するきっかけだったと思います。なんだかんだ未経験領域のテーマなので、ポリスアクションで知っていた俳優さんが主演していることで、妙な安心感が欲しかったのかも。

いざ鑑賞。
痛み、感涙、幸福を芯に感じ、人生初の号泣と感動の余韻を味わいました。
ニック・ノルティさんとスーザン・サランドンさんの心震える演技に、痛みと苦しみと必死な思いを痛感しました。
息子役、看護師役、医者、その他キャスト、全ての演技に一喜一憂し心乱されまくり(いい意味で)。
息子の悲痛な痛みの表現や、それに必死に向き合う両親の焦りや憤り。
当時「不治の病」だったため、冷静すぎる看護師や医者等の家族を取り巻く環境。
すべての映像に心が動かされました。

夫婦があらゆる障害や倫理観に立ち向かい、必死に、ただただ必死に「不治の病」に立ち向かい、治療法を得る。

その行為には、あまりにも誤った行為が伴ったかもしれない。
が、結果論かもしれないが人をあやめたり、犯罪者になってまで「非道行為」をしたわけではなく、その現状で納得のいかない世の中の「融通のきかない常識」に無我夢中で立ち向かったその姿勢は、新たな時代を切り開く先駆者そのものの姿だと思います。

私はこの作品に初めての「感動」を覚えたせいで、自分にとって人生最高の映画なのかもしれません。
真実は異なる可能性もあると思います。
あまりにも心が揺らぐシーンが多いため、エンタメ性を盛り込んでいるかもしれません。
でも、物語としてもそのテーマと結末への構成が素晴らしい作品だと思います。このご夫婦の世の中に対する貢献と救いの偉大さは、変わらないと思うから。

もし鑑賞する機会があれば、ぜひ観てほしいと思う、私の生涯でイチオシの作品です。

HGPomera