ワッツタックス スタックス・コンサート

劇場公開日:

解説

真夏に展開された黒人アーティストのみのコンサートを描いたドキュメンタリー。製作総指揮はアル・ベルとデイヴィッド・L・ウォルパー、製作はラリー・ショウとメル・スチュアート、監督はメル・スチュアートが各々担当。

1972年製作/アメリカ
原題または英題:Wattstax
配給:コロムビア映画
劇場公開日:1973年7月21日

ストーリー

1972年8月20日午後3時、真夏の暑い太陽の下、ロス・アンジェルスのメモリアム・コロシウムに100000万人の観衆がつめかけた。ソウルの名門レーベルであるスタックス・レコードのアーティストたちのほとんどが出演する大野外コンサートは、6時間にわたって熱っぽくくりひろげられた。主なアーティストは次の人々だった。ウィリアム・ベル、アイザック・ヘイズ、エディー・フロイド、アルバート・キング、ザ・バーケイズ、スティブル・シンガーズ、ルーサー・イングラム、リチャード・ブライヤー、カーラ・トーマス。このワッツタックス・コンサートを企画したのはスタックス・レコードのアル・ベルで、主催はスタックス・レコードとワッツ・サマー・フェスティバル委員会である。入場料は1ドル。売上はシックル・セル・アネシア財団とマーチン・ルーサー・キング病院などの団体をサポートするワッツ・コミュニティに寄付された。アーティストたちの出演料は無料であった。映画は、コンサートのドキュメントに、黒人たちの意見と主張--宗教、政治、社会、風俗、愛、生活--を織りまぜて構成され、その進行役をアメリカで著名なコメディアンのリチャード・ブライヤーがつとめている。

全文を読む(ネタバレを含む場合あり)

スタッフ・キャスト

監督
メル・スチュアート
製作総指揮
アル・ベル
デビッド・L・ウォルパー
製作
ラリー・ショウ
メル・スチュアート
字幕
野中重雄
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映画レビュー

5.0すごい…あんぐり…

2023年9月25日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

客が凄い勢いだし、これは踊りたくなるわ。
スタックスって地方の小さいレーベルだと思ってたからびっくりした。
ワッツ暴動のことを知らなかったので為になりました。公民権運動真っ盛り当時の勢いを感じられる。
ぴあフィルムフェスティバル2023にて。

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胃袋

4.5字幕のおかげで作品の核心に触れた。

2023年9月19日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

PFMブラック&ブラックでの上映。アマプラでも観るのを我慢して、劇場での機会を探ってたので迷わずポチっ。
上映後のゲストのピーターバラカン氏曰く「PBMFFでも上映したいけど(権利と価格で)なかなか実現できなかった」「とてもきれいな映像だった」。この上映のために新たに字幕を作成したもののフィルムには焼き付けていないとのこと。そんなスペシャルな上映だとは梅雨知らずだったけど、おかげで理解が進んだ。
ロサンゼルス・メモリアル・コロシアムでのライブは確かに熱い。そしてルーファス・トーマスがグランドに降りてきたオーディエンスを席に戻す件や人気プロレスラーの登場よろしくなアイザック・ヘイズの、ゴールドのチェーンベスト?は必見!サイコー過ぎた。
一方で、ライブシーン以上に興味深かったのが黒人の会話のダイジェスト。これぞ、この映画の核心部分。一見タランティーノ作品にあるあるな、無駄にも思える賑やかしのお喋りパートかなと思いきや、当時のアメリカの黒人の置かれてる環境が赤裸々に語られる。印象に残ったのは(正確ではないけど)「どうして黒人が生きていくために、黒人自らが社会を変えようと努力しないといけないのか」。このセリフにはさすがに痺れた。

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ラーメンは味噌。時々淡麗醤油。

5.0最高のブラックミュージックフェスのライヴドキュメント

2018年8月16日
Androidアプリから投稿

ブラックミュージックのファンなら絶対に観なければならない映画
観てなければ話にならない

1965年8月ロサンゼルス近郊のワッツで3日も続いた黒人暴動があった
デトロイト、アラバマ州バーミンガムと並ぶ大規模な黒人暴動だった

1972年8月20日その7周年を記念してLAメモリアルスタジアムで午後3時から午後10時の7時間、10万人を動員した音楽フェスの模様を映画としたものだ

主催は当時モータウンと並ぶ勢いの南部メンフィスを本拠地とするレコード会社スタックス
ポップ寄りのモータウンに比してスタックスはより黒く黒人達の心情に響くサウンドだった

その絶頂期のスターが総出演してのライヴなのだから、10万人も動員できたのは当然と言える

映画はスター達のパフォーマンスだけでなく
その合間合間に大量の一般黒人市民達のインタビューを挿入して構成されている

単なる愚痴程度の話もあれば、半世紀近くをへて振り替えると貴重な象徴的な証言もある
実はこれが本編かと思える程に後で心に残るのだ

暴れたって何も解決しない、それより俺たちがこれからどうするかだ
私達のルーツを知りたい、そしてこれからどうしていくのが良いのかを知りたい

暴力ではなく黒人の音楽の力をもって、人種差別の鬱憤を止揚する、それがこのフェスの目的であり、それを見事に達成したみせたのを記録した映画なのだ

フェスの開催に当たって司会が演説をぶつ
その精神が黒人の地位向上のバックボーンになったのは間違いない

パフォーマンスは
バーケーズ、ステイプルシンガーズ、ルーサーイングラム、ルーファストーマスが特に素晴らしい
ルーファストーマスの歌もさりながら、ピンポン芸人さながらのMCぶりが見もの
スタンドから興奮した観客がフィールドに雪崩こんで危険な状況になったのを彼のユーモアを持ったMCがたった一人でそれを収拾してみせたのだ

そして何よりオオトリのアイザックヘイズ!
当時全米特大ヒット中のシャフトのテーマで登場する
彼のステージ衣装として有名な鎖のジャケット姿だ
電光掲示板にブラックモーゼと大書き
その鎖のジャケットの意味合いは本作の映画ではわからないが、The Soul Of Staxと言う映画では本作では採用されなかったシーンを拾っておりその由来が分かる
このフェスの司会がアイザックヘイズの登場時にこう言うのだ

鎖は抑圧と強制の象徴だった
しかし今彼はそれを連帯とその力の象徴として身にまとっている!

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あき240