ラモナ(1936)

解説

「人妻の戒律」「愛の花籠」のロレッタ・ヤングが主役を勤めるヘレン・ハント・ジャックスン作の同名の小説の色彩映画化である。脚色には「野に咲く金色の花」のラマー・トロッティが当たり、監督には「五ツ児誕生」「東への道」のヘンリー・キングが任じた。撮影は「踊る海賊(1936)」のウィリアム・スコールが受持ち、色彩監督には例によってナタリー・カルマスが当たった。主役のヤングを助けて、「鐘の音」のドン・アメチを始め「フロリダ超特急」のケント・テイラー、「マダムと踊子」のポーリン・フレデリック、「可愛いオディ」のジェーン・ダーウェル、「十字軍」のキャサリン・デミル、「港に異常なし」のヴィクター・キリアン、「目撃者(1936)」のジョン・キャラディン、「風雲児アドヴァース」のペドロ・デ・コルドヴァ等が出演。

1936年製作/84分/アメリカ
原題:Ramona

ストーリー

1870年のカリフォルニア州。サン・フェルナンド山麓にあるモレノ家の牧場。今日は羊毛を摘むお祭で、はるばると山を越えてキリスト教徒のインディアン、アレサンドロは部下を率いてやってきた。ラモナはモレノ家の娘として育てられてきた、修道院から帰ったばかりの黒い眼の丸く可愛い娘だ。モレノ夫人の息子フェリッペは彼女を愛し結婚する気でいる。リンゴの樹の下でラモナとアレサンドロは会った。二人の胸には運命の糸がたぐられたような恋心が湧いた。しかし互いに名さえ知らないのだ。摘羊祭の行事は競馬だ。フェリッペはアレサンドロの馬を賞めた。友人との好意でアレサンドロは馬をフェリッペにやろうと言う。競馬の途中フェリッペは不幸落馬して重傷を負った。ラモナとアレサンドロは次第に結ばれて行ったが、女中マルガリタは前から彼を愛していたので、二人の仲を知ると嫉妬の余りモレノ夫人に密告した。ラモナは一室に閉じ込められアレサンドロは暇を出された。ラモナは夫人の妹の亭主がインディアンに生ました子供を、妹が引き取って死に際に夫人に託したのである。だから夫人はラモナに冷たくフェリッペとの結婚も許す気はなかった。フェリッペは愛するが故にラモナとアレサンドロを結んでやった。こうして二人の生活が始まり一年後には可愛い赤ん坊が生まれた。しかしその頃から米人はインディアンを迫害し土地を取り上げて行った。無力な原住民はせめて己れの家に火を放ち、車を駆けて落ちるのがせめてもの報復である。雨の夜ラモナとアレサンドロも家を焼いて逃れた。赤ん坊は熱病になっている。アレサンドロはやっと薬を貰って馬に鞭打ち帰途に就いたが、馬は脚を痛めてしまった。代わりの馬を借りようと米人の家を訪れたがあいにくと誰もいない。待っている暇はない。後で詫びるつもりで彼は馬に飛び乗った。後姿を帰り合わせた主人が見た。インディアンの馬泥棒は射殺するのが不文律だ。我が家に辿り着き薬を渡した刹那、追って来た米人にアレサンドロは射殺された。残されたラモナと愛児の運命はどうなることであろう。温かいフェリッペの両腕が親子を待っているかも知れないけれど。

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