雷岳の危難

解説

「曲馬団の秘密」に続いて製作されたアントニオ・モレノ氏、キャロル・ホロウェイ嬢共演の連続活劇で、原作は例によってヴ社社長アルバート・E・スミス氏と先日死んだサイラス・タウンゼント・ブラディ氏の合作で、監督はR・N・ブラッドバリー氏とウィリアム・ボウマン氏の2人がなした。ユ社支社が輸入して10月上旬から公開されよう。

1919年製作/アメリカ
原題:Perils of Thunder Mountain

ストーリー

老いたるジョン・カールは人跡稀なシェラ・ネヴァダ山脉の雷岳と呼ばれた山奥に住んで金鉱の発見に苦心して居た。雪降りしきる或冬の夜。彼は絶壁から落ちて行方不明と成った。彼の遺言書に依ると彼の甥なるジョン・デイヴィスとホーク・モーガンの二人はその金鉱の採掘権を得、所得は二人と、カールの孫娘エセルと、そして戦時中慈善事業とに分配する様にとの事であった。デイヴィスは正直な男らしい男であったが、モーガンは生れながらの悪人で、デイヴィスに遺言書の命令を無視して三人だけの利益を計ろうと提議したが、勿論デイヴィスはこれを拒むので、モーガンは邪魔になる彼を片付け、エセルと結婚するか、又は彼女を殺して利益の独占をしようとした。これの為にモーガンは悪人スパイダーの一味及インド人の悪魔術師等の救けを借りる。これに対抗するデイヴィスにはレインフェースと云う勇敢な老インド人と、ブリッジェットと云うエセルに同情ある女とが身命を惜まず盡すのであった。雪と氷に閉ざされた山中を背景として、猛烈火の出る様な善悪両派の争闘の中に、正体の知れぬ怪人物の活躍が加わって15篇に渡り観客の興味を索き付けて行く。

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