雪だるま超特急

解説

雪におおわれたロッキー山脈のスロープを舞台に、都会脱出を試みた一家が悪戦苦闘するアクション・コメディ。製作はロン・ミラー、監督は「最高にしあわせ」のノーマン・トーカー、フランキーとジョンのオーレア兄弟の原作をロン・テイト、ジム・パーカー、アーノルド・アーゴリンが脚色。撮影はフランク・フィリップス、音楽はロバート・Ｆ・ブランナーが各々担当。出演はディーン・ジョーンズ、ナンシー・オルソン、ハリー・モーガン、ジョニー・ホイッテカーなど。

1973年製作／93分／アメリカ
原題：Snowball Express
配給：ブエナ　ビスタ
劇場公開日：1973年12月25日

ストーリー

保険会社の経理マン、ジョニー・バクスター（ディーン・ジョーンズ）は、ニューヨークでのせわしない毎日に愛想をつかしていた。そんな彼に脱都会のチャンスが訪れた。コロラドのシルバー・ヒルに住む、遠縁に当るおじが、ジョニーに思いがけない遺産を残してくれたのである。遺産の主なものはグランド・インペリアル・ホテルで、ロッキー山脈は3千メートルの山の中にあるということだった。妻のスー（ナンシー・オルソン）長女のクリス、息子のリチャード（ジョニー・ホイッテカー）はその話に乗り気でなかったが、一家の大黒柱の意にさからうことはできず、飼犬のセント・バーナードと一緒にステーション・ワゴンに詰め込まれ、西部へと向かう。雪また雪のロッキー山脈、だが目的の家を捜し当ててみれぱ、ホテルとはほど遠いオンボロどころか、荒れほうだいの空家と判ってビックリ。しかし今さら引き返すことはできない。ジョニーは、空家をよいこことに巣食っていた老鉱山師のマッコード（ハリー・モーガン）を便利屋として雇うことにした。そして建物の手入れをするために、町の銀行家リジウェイに借金を申し込んだが見事断わられてしまった。思案にくれた彼は、自分の地所を使ってスキー場を開こうと考えた。今度はホテルを担保にリジウェイから3千ドル借りた。が、リフトを買うために借りたこの金も、スチームが爆発しメチャメチャになった台所を修理したら跡方もなく消えうせた。そのとき、マッコードが、かつて鉱山で丸太を引き上げるために使っていた古い蒸気エンジンのことを思い出した。さて、ホテルのオープンの当日、なだれが起こり列車の線路をふさいだため、おかげでホテルはスキー客で満員になった。だがいいことばかりは続かない。クリスと顔なじみになった近所のガソリン・スタンドの給油係ウォリーがお客のために模範スキーを見せることになり、いい気持で滑っていた彼が、ふいにバランスをくずして絶壁から墜落、木の大枝に引っかかった。彼を助けるために蒸気エンジンを使ったものの、過熱しすぎで大爆発。エンジンはジョニーを引きずったまま、スロープを転げ落ちてホテルに衝突、大きな穴をあけてしまった。追いつめられたジョニーはシルバー・ヒル・スノーモビル（雪上車）レースに出場して賞金をせしめようと決意した。レースは最初から最後まで椿事の続出。結局優勝はリジウェイにさらわれてしまった。数日後、にっちもさっちもいかなくなったジョニーが、ホテルをリジウェイに売るために契約書にサインしようとしたとき、秘書のミス・ウイギントンが助け舟を出してくれた。それによれぱ、ジョニーのおじの遺書では、ホテルに付随して隣接の1200ヘクタール分の木材も遺産にふくまれ、さらにシルバー・ヒル町に遺贈されることになっていた土地も、町が教会、病院、図書館を建てるという条件が付けられているという。実際にはその土地にそれらの建物がないので、当然ジョニーに返還されなければならない。かくしてジョニーはひと安心。一家の安住の地が見つかつた。