弥次喜多殺陣の巻
解説
「弥次喜多探偵の巻」に次いで製作されたウォーレス・ビアリー氏及びレイモンド・ハットン氏の最後の共演喜劇で、グローヴァ・ジョーンズ氏が執筆した原作をフランク・バトラー氏とギルバート・プラット氏とが共同脚色し、「ガウチョウ」「笑王ベンターピン」と同じくF・リチャード・ジョーンズ氏が監督したものである。助演者は「曠原の烽火」「赤い髪」出演のレーン・チャンドラー氏、「探偵の巻」「凸凹青春の巻」のメアリー・ブライアン嬢、「極楽トンボ三人連」「奔流夫に騰る」のガードナー・ジェームズ氏及びポール・マッカリスター氏並びにアンダース・ランドルフ氏。
1928年製作/アメリカ
原題または英題:The Big Killing
ストーリー
米国オザーク山脈中のある谷間にビーグルとヒックスという2家族があって、過去一世紀間反目と争闘と殺傷を続け、ビーグルの方はまだ家族も相当に生き残っていたが、ヒックス一族はわずかに当主ジョスアと長男ジョージ次男ジムの三人だけだった。けれども仇敵同志の2家族にも故意の花が咲いた。ヒックスの次男ジムとビーグルの娘メアリーとは何時しか親達の知らぬ間に熱烈な恋に落ちていた。ところがある日2人が忍びやかに逢瀬を楽しんでいるさまを見つけたメアリーの兄は驚き怒ってジムを殴り倒し妹を引っ張って家に帰り事の次第を知らせた。激昂したビーグル一族は主人アブナーを先頭にヒックスの家へ押しかけ日没を期して最後の血戦をなさんと挑んだ。そこでヒックスの伜ジョージは火薬を買いに町へ赴いたが、彼はそこでピートとダンという手品使いの鉄砲撃ちを射撃の名人でヒックス姓の者と早合点し2百ドルの報酬を約束して2人を連れて帰った。ピートとダンはビーグルなるものは犬くらいの獣だろうと考え金になる仕事というので二つ返事でビーグル退治の加勢を引き受けた。ところがいよいよ襲来したビーグルなるものが犬ではなくて鉄砲を持った多勢の山男だったので、臆病者のピートとダンは山中を彼方此方と逃げまわった末間違ってビーグルの家へ逃げ込んだが危ういところを逃れ、ヒックスの方へ帰ってくると今度は裏切ったと誤解されてまたもや大変な事になったが、このどさくさまぎれにメアリーとジムは牧師を連れて来てピートとダンを立会人に正式に結婚してしまった。ここで両家の争闘は終結し、ピートとダンは命からがら山を逃げだした。
スタッフ・キャスト
- 監督
- F・リチャード・ジョーンズ
- 脚色
- フランク・バトラー
- ギルバート・プラット
- 原作
- グローバー・ジョーンズ
- 撮影
- アルフレッド・ギルクス