桃色の盗賊
解説
「女性の罠」「ブロードウェイ(1929)」のイヴリン・ブレント嬢と「シャーロック・ホームズ(1929)」「四枚の羽根」のクライヴ・ブルック氏とが共演する映画で、「恋愛行進曲」「君恋し」の脚色者パーシー・ヒース氏が書卸したストーリーを「ヴァージニアン(1929)」「恋の素顔」のハワード・エスタブルック氏がジョセフ・L・マンキーウィッツ氏と共同して台本並びに台詞を執筆し、「楽園の毒草」「母よ恋し」等をかつてものしたルイ・ガスニエ氏がエドウィン・H・ノッフ氏と共同監督し、「快走王」「レヴュー結婚」のアレン・G・シーグラー氏が撮影したもの。ブレント嬢、ブルック氏を助けて「半分天国」のポール・ルーカス氏、「喝采」のヘンリー・ウォズウォース氏、「ヴァージニアン(1929)」のユージーン・パレット氏、ヴァージニア・ブルース嬢、モーガン・ファーレイ氏等が出演している。
1930年製作/アメリカ
原題または英題:Slightly Scarlet
ストーリー
パリに巣窟を構えて欧米を股にかけて宝石盗賊を働いている稀世の怪盗マラトロフの手先は使われているアメリカ生れの美しいルーシー・スタヴリンは女白浪なんか1日も早くやめたいと思っていた。彼女のアパートメントの隣りに引越して来たコートネー・パークスという様子ありげな英国人にルーシーは不思議に心を惹かれたし、相手も彼女に気があるような風であったが両人は会って話をする機会を得なかった。ルーシーはマラトロフの命令でアメリカの成金シルヴェスター・コーベットの秘蔵の真珠の頸飾を盗むこととなり、ロシアの何某伯爵の未亡人という觸込みでニースへ赴いた。コーベット一家が住んでいる邸宅の隣家にちゃんとパークスが来てるのにルーシーは且つ驚き且つ怪しんだが、この別荘地に於ける人と人との心安さから彼女とパークスとは知合いとなりそれとは明かさないが恋仲となった。ところがコーベットの娘イニッドはパークスの英国風の紳士ぶりに乙女心を燃やし始めた為にイニッドのボーイ・フレンドたるサンディー・ウェイマンは嫉妬を起し面当て気味からルーシーに取入った。ルーシーはこんなイザコザやパークスへの恋慕やらで仕事を遅らせているとマラトロフから矢の催促が来たので、或晩彼女はコーベット家の客となる手筈をとった。其夜更けてルーシーは金庫の前でパークスと遭った。パークスは1人で仕事をする紳士盗賊だったのである彼女は自分の境遇を物語って彼に訴えた。2人の愛は2人をして正道に立戻らせようとした。ところがマラトロフが突如彼等の行く道を遮ろうとしたが、パークスはルーシーを護ってマラトロフを仆し、2人は相携えて自由の天地へ。
スタッフ・キャスト
- 監督
- ルイ・ガスニエ
- エドウィン・H・ノッフ
- 脚色
- ハワード・エスタブルック
- ジョセフ・L・マンキウィッツ
- 原作
- パーシー・ヒース
- 撮影
- アレン・G・シーグラー
- 編集
- エダ・ウォレン