メキシコ

解説

「ダルマッジの独身倶楽部」につづくリチャード・タルマッジの主演映画で、マデリン・アレンの原作からフランシス・ジャクソンが台詞を書き撮影台本を執筆し、上記作品と同じくノール・メイスンが監督にあたった。主役を助けて「女秘聞」のルピタ・トヴァー、ゲイン・ホィットマン、ジュリアン・リヴェロ、サム・アッペル等が出演。

1931年製作/アメリカ
原題:The Yankee Don

ストーリー

ニューヨークにその名をとどろかした無頼漢ディック・カーセイは気に喰わぬ仲間と見ればすぐ喧嘩したが、狭い土地にいるのも飽きたので西部のカリフォルニアに行こうと思い立つ。彼が乗り込んだ西部行の列車にはジュアニタという美人が付き添いの女と乗っていた。列車がカリフォルニアへ到着する頃、彼女にぞっこん惚れてしまったカーセイはある駅で娘が馬車に乗り換えるとそのまま別れ去るに忍びなくなって自分も汽車から降りてしまう。そして件の馬車が山賊から襲撃を受けた時、彼は1人で山賊共を向こうに回しジュアニア達の危難を救った。目的の村へ達する少し手前でジュアニアの姿が突然馬車から見えなくなる。心配したカーセイは彼女の行方をたづね探しながら広野の中を歩いているとカウボーイの一隊が来て彼をからかいたちまち喧嘩をはじめる。彼の勇ましい格闘振りを眺めていてテニーという男は1000ドルの報酬をやる約束で彼をやとう。だがこのテニーというのは実は土木本面の盗みを専門としている男で、ドン・ジュアン所有の牧場に無断で工事を企んでいたのであった。そうとは知らないカーセイは彼の手下となって働く。牧場主のドン・ジュアンは怒って彼を射撃しようとする。この時思いがけなくジュアニアが現れて彼を救う。彼女はドン・ジュアンの娘であったのである。そして愛し合う娘は父親の反対を構わず結婚の約束をしてしまう。かくて悪人に利用されていることを悔いたカーセイは心をひるがえしてジュアニア父娘のために立とうと決心する。だがテニーの裏をかこうと計画を回していたカーセイは娘に誤解されいっとき落胆しかかるがテニーの一味が襲来した時、ドン牧場のカウボーイ達を率いてこれに対陣し守備よく敵方を全滅せしめた働きによって疑いも晴らしカーセイは若いドンとして父娘から迎えられた。

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