密林の王者

解説

第10回オリンピックに水泳400米自由型に優勝したバスター・クラブが主演する映画で、チャールズ・サーレー・ストーンハムの原作を「沈黙(1931)」「夫を殺すまで」の脚色監督者マックス・マーシンが改作し、「獣人島」のフィリップ・ワイリーと「光に叛く者」のフレッド・ニブロ・ジュニアとが共同脚色し、「百万円貰ったら」のH・ブルース・ハンバーストーンがマーシンと共に監督に当たり、「夜毎来る女」「街のをんな」のアーネスト・ホーラーが撮影した。助演者は「六月十三日の夜」「夫を殺すまで」のフランセス・ディー、「お蝶夫人」のアーヴィング・ピチェル、「恋愛百科全書」のシドニー・トーラー、ロバート・アデーア、ダグラス・ダンブリル等である。

1933年製作/アメリカ
原題または英題:King of the Jungle

ストーリー

3人の子供を加えてアフリカへ狩猟に行った白人の一行は不幸にも猛獣に襲われて全滅したが、奇跡的に1人の子供が助かった。それ以後、子供カスパは密林に住み獅子と寝食を共にして育って来た。20年後の青年に成った時、彼は獅子とは無二の親友で、如何なる猛獣の言葉でも判り、彼らを操縦することが出来た。村人は彼を「ライオンの息子」と呼んでいた位だ。ある日彼はライオンの群に立ち交って密林を彷う中に英人のしかけたライオンの罠に陥り捕らえられた。捕らえた呉人ジョー・ノーランはサーカス師で、意外な獲物に驚いたが、カスパのすばらしい野性美に職業的な食指を動かし、サーカスの呼び物として一儲けせんものと彼をライオンの檻につめてアメリカに渡った。船がアメリカに着くと、カスパは検閲のすきを見て海へ逃れ、やがて陸にはい上がった。上がった所は文明の都会、その町中を獅子の皮丈を腰にまとって裸のカスパが駆けめぐったが、意外な人間の出現に街は上を下への大騒ぎとなり、警官まで飛び出して来るという始末だった。追われたカスパはとある家の窓越しに食物を見るとやにわに窓を伝って室内にとび込んだ。とび込んだ家はアン・ロジャースという娘の家で、居合わした人々は驚いて警官を呼びに飛び出し、カスパもあわてたが、アンは彼の野性美にある親しさを覚え、他の人と違って色々とカスパをもてなした。このことが縁となってライオン男のカスパはアメリカの各所のサーカスに現れてライオン扱いの興行を打ち続けたが、彼の身の廻りのことは一切アンが世話し、彼女のおかげで一年後にはカスパも文明の水に洗われ、人間の言葉も覚え、天晴現代人とはなったが、それでも猛獣に対する執着が抜け切らず、アフリカの密林を恋い慕う様だった。しかしカスパとアンの恋の焔は燃え、最後の興行を打って了ったらカスパは猛獣たちを捨ててアンと結婚することを契ったがその夜、サーカスから火が出て火に驚いた猛獣は安全な檻に移さんとしたすきに躍り出て、街中に眼も当てられぬ惨害を展開した。愛する猛獣の危険を知ると、カスパは取る物も取りあえず現場に駆けつけただ一人で彼らを安全な檻に納め得た。この有様を見ていたアンは、彼はやはり密林の世界に住む男だと悟り、愛する彼のために都会生活を断念し、2人は彼の故郷アフリカに移住したのである。

全文を読む(ネタバレを含む場合あり)

スタッフ・キャスト

全てのスタッフ・キャストを見る

映画レビュー

映画レビュー募集中!

この作品にレビューはまだ投稿されていません。
皆さまのレビューをお待ちしています。
みんなに感想を伝えましょう!

レビューを書く