マーニーのレビュー・感想・評価
全12件を表示
ヒッチコック転落のきっかけとも言われる迷作
「サイコ」に続き「鳥」でセンセーションを吹き荒らしたヒッチコックだが、この「マーニー」から調子が狂いだしたと見る向きも多い。ヒロインが巧みにオフィスの金庫からごっそりとお宝を頂戴する姿は女泥棒のようでかっこいいのだが、しかしその犯罪を全てショーン・コネリー演じる男がお見通しだったというあたりから話が急激にまどろっこしくなっていく。そしてヒッチコックの男尊女卑的な価値観も見え隠れして、どのように受け止めるべきか戸惑うところである。「赤」が潜在意識に刺激を与える演出はさすがで、他には真似できないヒッチ的な狂気がたまらないのだが。 もともと本作はモナコ王妃となったグレース・ケリーの女優復帰作として用意されたものだったとか。しかしモナコが国家危機を迎え、彼女がそれの対応へと専念したことから出演が叶わなくなってしまう。どこかボタンを掛け違えたような作りはそういうところに原因があるのかもしれない。
ヒッチのサイコサスペンス
半分ヒッチ見たさ、半分コネリー追悼で視聴。 気になった点 ヘドレンが映る時の画質 母親が階段降りる時の影 フィラデルフィアに着く列車がマルーンでまるで阪急梅田駅到着みたい 金庫破って逃げる時のポケットから靴が落ちるシーン 007映画かと見まごうコネリーの胸毛 マーニーの母親は知りすぎていた男に出てなかったかな?
リルが素敵
彼女はマークの義妹であり、ラトランド家で居候中。マークの妻は若くして亡くなっていた。マークがマーニーと結婚すると宣言したときも、嫉妬心と喜びが入り混じったような表情がとてもいい。祝福のキスだってマークの口にぶちゅーっとやってた・・・うらやましいぞ、007。そんなリルであっても、マーニーの秘密をしってからは嫉妬心が打ち勝ったのか、以前に被害に遭ったコンサルタント会社社長をパーティに呼んでしまったりするのだ・・・彼女も小悪魔だったのね。 名前も変え、髪の色も変え、社会保障番号だって偽造しちゃう、かなり計画的な犯罪を繰り返していたマーニーだったが、稲妻と赤い色に対して極度に拒絶反応を示す。結婚しても体を許さない男性拒否症だったのだ。盗癖も嘘も病気であることだって全て愛そうとしたマーク。やがて原因が幼い頃のトラウマにあると読んだ彼は探偵を雇い、彼女の過去を探らせる。 貧しさと富豪の比較なんて目で見ると、まったく物足りない。金持ちは金持ちなりに人格者であることも描いているところがつまらない。しかも売春婦の娘と結婚し、盗みもすべて赦そうとする寛容さ。被害者に対しては謝罪、弁償、被害届の取下げを頼もうとするのだから・・・社会観から突き詰めてゆくと、ほんとにつまらないのだけれど、幼少時のトラウマといった点では興味深い映画。現代のDVを扱った作品のさきがけといえるか。ただ、女がもっと魅力的だったら、寛容になれるかもなぁ(笑)。
マーニーに幸あれ!
過去の経験によるトラウマで犯罪を犯してしまう彼女 リアルな社会でも生まれながらの悪党はいないのではないでしょうか 甘いかな 人が人を裁くのってとても難しい 過去を無視して裁くのならさほど難しいこともないと思うのですが過去の経験も考慮するとそこが難しい そして被害者の気持ちもある 報道では上っ面だけで「こんな事件がありました」で ワイドショーなどは個々で好き勝手なことを世間に垂れ流し流れで見ている人は鵜呑みにして「アンタが悪い奴」と決め付けているように思えてなりません 結果は数年後になったりするのでもう視聴者な知らぬ顔 被害者の気持ちもありますが加害者の側もある意味被害者の時だってあるのでは 戦争は悪いことだけど犯罪ではないなんてどうしたって矛盾過ぎる そりゃ〜チャップリンだって言いたくなるでしょ 好きになってしまった相手に問題がありこちらが何とか出来るのならどうにかしたい 惚れられるより惚れた方が何倍も力が出るでしょ 助け方はそれぞれだけど心底惚れたら見返りはいらなくなるんですよね とにかく幸せになってくれたらそれでいい もうそうなったら自分のことはどうでも良くなっちゃう 少しでも笑顔が見れたらそれだけで幸せで幸せで身震いするほどです 歳をとるとなかなかそんな事もなくなっちゃうんだね〜 あまり多くてもそれはそれで何だかな〜ですけどね マーニーに幸あれ!
やはりヒッチコックは面白い。 盗癖を持つ謎の美女マーニー。それが分...
やはりヒッチコックは面白い。 盗癖を持つ謎の美女マーニー。それが分かっていながら彼女を愛す男。 赤への恐怖。男への嫌悪。徐々に暴かれていくマーニーの秘密に目が離せません。 マーニーを演じるティッピ・ヘドレン、ヒッチコックに迫られセクハラされまくりだった模様。巨匠、人間的にはヤバかったのか、なんとなく理解できる気がする(笑)
ヒッチコックファンとしては残念な作品
映画の物語としては色々と突っ込みどころ満載 ヒッチコックにしてはどうなのかと、彼はこれで満足なのかと疑問を感じてしまう 大成功しためまい、サイコの路線でもう一本の意欲が空回りした感がある 要はティッピ・ヘドレンでそれを撮りたい 007で当代一の二枚目に踊り出たショーン・コネリーを相手役にして何が何でも大成功させる それが映画に滲み出ている ティッピ・ヘドレンは美しい というより美しく撮りたいずっと撮っていたい その妄執がヒッチコックをしてこのような映画を撮らせてしまったように思う ショーン・コネリーの演技はさすがに油が乗っている絶好調の時期だけに、彼の演技で救われていると言ってよい カメラもものすごい神経の行き届いた目の覚めるような冒頭のショットなど素晴らしい映像と凡庸な映像との差が激しい ヒッチコックの集中力が全編に渡って続いていないと感じ取れてしまうのだ ファンとしては残念な作品だ とはいえつまらない作品では全くない 全体としては素晴らしい作品と言うべきなのだろう ヒッチコック映画の音楽の代名詞だったバーナード・ハーマンは本作が最後の作品となる
過去のトラウマから抜け出せない主人公
主演のティッピ・ヘドレンの演技が作品にリアリティを生み、いつの間にか目が離せなくなっていました。 辛い過去がある主人公を助けるためにショーン・コネリー演じる大富豪の社長が奮闘する姿にも共感を覚えます。徐々に明らかとなる真実と、2人の恋愛物語が交差しながら迎えるクライマックスは驚きと感動に溢れています。
美女への執着心
幼い頃のトラウマで赤色を極端に怖がり、盗癖のある女性マーニー。そんな彼女を雇い入れた会社社長マークは彼女と結婚、トラウマを治そうとする…。 アルフレッド・ヒッチコックの1964年の作品。 ヒッチコックの作品の中では「めまい」の系統に位置する。 ヒロインの異常心理とスリリングなラブストーリーを描いた異色作。 異常行動を取るヒロインのトラウマの原因は、母。その母との愛憎とも言える関係も話の軸になる。 ヒロインが赤色を目にした時、画面いっぱい赤色のフラッシュバックの演出が施される。ヒロインでなくとも赤色に対して異様なインパクトを受け付けられる。 マークに扮するは、ショーン・コネリー。ヒッチコックとコネリーの組み合わせは何だか新鮮。 マーニーに扮するは、ティッピー・ヘドレン。「鳥」に続いてのヒッチコック作品で、トラウマと向き合うクライマックスは迫真の演技。その後のヒッチコックとの確執は有名な話。 脇役ながら、マークの義妹リルに扮するダイアン・ベイカーはヒッチコック作品にしては珍しい黒髪美女。クールな悪女風の役柄が堪らん!(笑) ヒロインの心理に迫った演出は何処となくねちっこく、ヒッチコックの美女への異常な執着心を否が応でも感じてしまう。 本作もまた、「めまい」同様、ヒッチコックの嗜好が表された作品。
過去のトラウマの心理治療
総合:65点 ストーリー: 65 キャスト: 75 演出: 65 ビジュアル: 65 音楽: 65 最初は金庫破りを繰り返す女の犯罪物かと思ったが、実際は彼女の過去のトラウマを探るという話。犯罪物というよりも、犯罪のからんだ心理治療の話である。 コネリーは非常に辛抱強い。何故にここまでとも思うが、その忍耐がなければ彼女のトラウマには迫れない。前の会社のときから彼女のことが気になって愛情を感じていたのだろう。 そしてヘドレンが何故そこまで母親に対して愛情を望むのか、金庫破りまでして母親に貢ごうとするのかという映画の冒頭の疑問が解き明かされる。その他にも彼女の性格に破綻があるのはすぐに見抜かれ、それが追求されていくというのが趣旨。映画の中で起こる犯罪にあまり意味はなく、過去に起こったことが重要になる。
全12件を表示