劇場公開日 1955年11月18日

「自伝の映画化らしい」慕情(1955) Cape Godさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5自伝の映画化らしい

2014年2月6日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

悲しい

幸せ

萌える

総合70点 ( ストーリー:70点|キャスト:75点|演出:65点|ビジュアル:65点|音楽:75点 )

 香港の浅水湾に行ったときに、ここが映画「慕情」の舞台になったのだと観光案内書に書いてあった。当時まだこの映画の名前をなんとなく知っている程度でよくわからなかったが、でもそれでこの映画に俄然興味が出ていつか観てみようと思った。

 ウィキペディアによると「ベルギー人と中国人の血を引くハン・スーインの自伝をもとに映画化された」のだそうだ。だから基本的な部分は現実の話に基づいているのだろう。だがジェニファー・ジョーンズ演じる主人公のハン・スーインとその学生時代の友人の二人は欧州と中国の混血という設定だが、全くそのように見えず白人そのものなのが気になる。その当時のハリウッドでは適当な混血の女優がいなかったのだろう。また当時の白人とアジア人との間にある差別や社会的な隔たりの描き方は直接的ではなくて生ぬるい。現代の映画ならばもっとはっきり描写するのだろうが、この程度では当時の社会情勢を理解し辛い。
 それでも二人の育む愛の行方が切なくてその成り行きに魅かれた。自伝だということならば猶更である。制作年代の古さゆえの欠点もあるが、彼女の心の動きに十分共感できた。

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Cape God