ブルースの誕生のレビュー・感想・評価
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JAZZの産声
南北戦争後の奴隷解放、転がっていた軍楽隊お下がりの楽器を使ってニューオリンズの娼館や酒場で黒人がBGM演奏を始めたのが19世紀末、主人公のジェフ(ビング・クロスビー)の家は代々クラリネットの音楽家、父の強いるクラシック音楽より巷に流れる自由な黒人音楽にジェフはのめり込んでゆく。原題・邦題ともに「ブルースの誕生」であるが、所謂、日本人好みの哀愁を帯びたブルースというよりブルースコード(ブルーノート)を使った人種を超えた新しい音楽の黎明期と広く捉えるべきだろう。
物語は白人の社交界では低俗音楽と見做されてなかなか認めてもらえないジェフのバンドがちょっと怪しいコルネットの名手メンフィス(ブライアン・ドンレビ)と訳ありの歌姫ベティ(メアリー・マーティン)を得たことで花開いてゆく。ベティの親戚の子おしゃまなフェービ(キャロリン・リー)は癒し担当、3人の恋の鞘当模様、ミュージカル仕立てのような素敵な劇中演奏、ベースの弓から指弾き奏法に変るハプニング、スキャット唱法、最後はあまり怖くはないギャング一味も絡んであっという間の85分でした。
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