百獣の王ライオン
劇場公開日:1958年1月15日
解説
ウォルト・ディズニー製作になる『自然の冒険』長篇記録映画で、暗黒大陸の中心、セレンゲッティを舞台に、ライオンを主人公としたアフリカの物語。ディズニー・プロの自然カメラマン、アルフレッド・エルマのミロット夫妻が40ヵ月を費やして撮影、「生命の神秘」のジェームズ・アルガーが監督した。解説台本はアルガーと「北極圏の人々」のウィンストン・ヒブラー、それにテッド・シアーズとジャック・モフィットの4人が担当、音楽は「機関車大追跡」のポール・スミス。
1957年製作/75分/アメリカ
原題または英題:The African Lion
配給:大映
劇場公開日:1958年1月15日
ストーリー
暗黒大陸アフリカの中央キリマンジャロの高峰をのぞむ広い平原--これがライオンの棲む土地である。ここにはライオンの他、色々の動物がいるが、彼らは不思議な本能でライオンの猛撃を避けている。しかし、そのライオンも自然の中では、やはり1個の動物である。ネコ族の特性として安楽を好み大の怠けものである。彼らは数代にわたる血族をもって数頭から20数頭の群を作って草原の一隅に一家そろってゴロ寝をしている。まさに王者の威厳もどこへやらである。またライオンの牡は一見、堂々としてはいるが実は無能極まりない存在で主導権は完全に雌に握られている。百獣の王ライオンも一目おいているのは象である。アフリカ象はインド象より、遥かに大きく、どう猛である。平原の沼地には、また象に次いで大きいカバが棲んでいる。怒ると凶暴極まりない。また平原で最も利口な動物ーヒヒは岩の要塞に立てこもっていてライオンも手だしはできない。百獣の王としてライオンは食べ物に困らないようなものだが、ライオンとて獲物をとるのには、ひと苦労。牡は毎日のらくらしているので獲物をとるのは牝の仕事。数頭の牝が力を合わせてカモシカ、シマウマ、キリンなどに不意打ちを食わせて血祭りにあげる。ライオンの残り物を、コソ泥のようにジャッカルやハイエナが、あさましく奪い合う。年に一度の旱魃がくる。断末魔のサイ。やがて熱帯の太陽に平原の空気は暖められ竜巻が荒狂って恐るべき砂嵐が舞う。その中で動物たちは飢えと渇きに悩まされながら生き長らえるための集団移動を始める。ライオンとても例外でない。しかし数週間のこの苦しい旅の最後に、イナゴの大群が押し寄せ草食動物の食物を奪う。--しかしイナゴの大群が去ると待望の雨。動物と大地は、この生命の泉に再び活気づく。
スタッフ・キャスト
- 監督
- ジェームズ・アルガー
- 脚本
- ジェームズ・アルガー
- ウィンストン・ヒブラー
- テッド・シアーズ
- ジャック・モフィット
- 日本語版台本
- 田村幸彦
- 撮影
- アルフレッド・G・ミロット
- エルマ・ミロット
- 音楽
- ポール・J・スミス
- 音楽編集
- イブリン・ケネディ
- 編集
- Mirman Palmer
- 音楽演奏
- ジョセフ・S・デュビン
- アソシエイト・プロデューサー
- ベン・シャープスティーン
- スペシャル・プロセス
- アブ・アイワークス
- 日本語版解説
- 秋山雪雄