蕃地の義人
解説
「単騎奮迅」に次いで製作されたるケン・メイナード氏主演西部劇で、マリオン・ジヤツクトン女史が書き卸した台本により、多くのレイアート映画の監督たりしハリー・ジエー・ブラウン氏が監督したもの。メイナード氏の対手女優は「ラリー奮戦記」「笑国万歳」等出演のドロシー・ドワン嬢が勤め、トム・サンチ氏ギブソン・ゴウランド氏、ノア・ヤング氏等が助演するほか、例によってターザン号が大いに活躍している。
1927年製作/アメリカ
原題または英題:The Land Beyond the Law
ストーリー
広漠たるニュー・メキシコの緑の大平原は最も好適な牧畜地であったが、いまだ文化に俗しないために法律は行われず、腕力すなわちすべてで悪人共の蹴梁を呈うするに任せてあった。ところがアリゾナが希有の大旱魃に見舞われたのでアメリカ政府当局は牧畜業者の移住を計量し、これから移住者の生命財産の安全と、法律の確立をするためジエリー・ステイールを派遣した。当時この地方で人々に恐れられていたのはハンツアップ・ハリーを首領とする悪漢団だった。しかし彼らよりも憎むべくは表面善良なる牧場主を装いながら、多勢の配下を蓄えて家畜泥棒を業とし不正の利得を貪るベン・クルーであった。ジエリーは大任を負ってこの地にきてから移住者の一人でジンジャー・オハラという美しい娘と相知り、若い2人は何時しるず恋を囁く仲となった。ジンジャーの美容と彼女の所有する莫大な牧牛とに目をつけたベンは、色と欲との道かけて、親切らしくジンジャーに言い寄ってきた。機会を待っていたジエリーは、今は善人に立ち返ったハンツアップ・ハリー等と力を協わせてベン・クルーの一味を掃蕩することに成功した。かくて牧草を求めてこの地に移住して来た開拓者の群れがようやく平和と希望とを見いだした時、ジエリーとジンジャーとの幸福への第一歩も踏み出された。
スタッフ・キャスト
- 監督
- ハリー・ジョー・ブラウン
- 原作
- マリオン・ジャクソン
- 撮影
- ソル・ポリト