晩餐八時

解説

「グランド・ホテル」と同じくデイヴィッド・O・セルズニックが製作にあたった超特作品で、「私重役様よ」のマリー・ドレッスラー「グランド・ホテル」のジョン・バリモア、ライオネル・バリモア、ウォーレン・ビアリー及びジーン・ハーショルト、「紅塵」のジーン・ハーロウ、「ロシア探訪飛脚」のリー・トレイシー、「彼女の用心棒」のエドモンド・ロウ、返りさきのビリー・バーク、「ヘル・ビロウ」のマッジ・エヴァンス、「肉体」のカレン・モーリー、「男子戦わざるべからず」のフィリップス・ホームス、「今日限りの命」のルイズ・クロッサー・ヘイル、「令嬢殺人事件」のメイ・ロブスン、「心の青空」のグラント・ミッチェルと言うオール・スター・キャストである。原作はニューヨークで大あたりを取ったジョージ・S・カウフマン、エドナ・ファーバー合作の舞台劇で、「シナラ」「チャンプ(1931)」のフランセス・マリオンが「闇に踊る(1932)」のハーマン・J・マンキーウィッツと共同脚色し、「街のをんな」「心を汚されし女」のジョージ・キューカーが監督にあたり「グランド・ホテル」「お気に召すまま(1932)」のウィリアム・ダニエルスが撮影にあたった。

1933年製作/アメリカ
原題または英題:Dinner at Eight

ストーリー

ジョーダン汽船会社の社長オリヴァ・ジョーダン氏夫妻がイギリスから渡来するファーンクリフ卿夫妻を主賓として晩餐会を催そうというのがことの発端である。同席の栄に浴すべき客人の洗濯にまず白羽の矢をあてられたのはカーロッタ・ヴァンスなる老女優である。彼女はその昔オリヴァの憧憬の的になった華やかな生活の記憶もあるが今では姥桜で贅沢な生活を続ける金もないので自分が所有するジョーダン汽船株の売却を依頼しにジョーダン氏を訪れたのだ。次に登場するのが工夫上がりの成金事業家ダン・パッカード氏である。彼はジョーダン汽船会社の窮乏に付け込んで会社乗っ取りを策しているが上辺は親切ごかしに資金の融通を計ってやるような顔をしている。彼の妻のキティも怪しげな素性の成り上がり女だけに社交界入り込みたい野心に燃えている上に有閑マダムの通性として医師タルボット博士と恋愛遊戯に耽っている様な女だ。タルボット博士夫妻もまた晩餐に呼ばれた客の1組である。次がラリイ・ルノーなる活動俳優である。無声映画華やかなりし頃の彼の人気はトーキーの出現と共に消え失せ今は小遣い銭にも困る様な窮状をただ酒に紛らせている中年を過ぎた男であるが、過去の名声とその美貌に打ち込んで命までの捧げようという情熱の乙女が何とジョーダン氏の娘ポーラであった。ルノーにはしかしもう恋の興味の全然失われていたので彼は自分の醜悪な過去をポーラに物語って自分を思い切って許婚者のアーネストと結婚する様切に進める。晩餐の夜が来た。主賓たるべきファーンクルフ卿夫妻は着米早々電報1本で出席を断ってフロリダへ行ってしまった。晩餐会は全然骨抜き同然となる。ジョーダン夫人はそれでくさる。ジョーダン氏は会社の株が何物かの手に買い占められてしまったことを知り持病が重なって呻吟している。娘のポーラはルノーのことがあきらめ切れずに同じくクサリを切っている。晩餐の時間が来た。客の1人ルノーが来ないのだ。理由はカーサロッタが知っている。ルノーはプロデューサーのステンゲルと喧嘩し、永年ルノーのために尽くした宣伝屋のマックス・ケインに避難されて絶望の極ガス自殺をとげたのだ。ポーラの悲鳴は極度に達する。わずかに慰められたのはジョーダン氏だった。なぜならダン・パッカードが妻のキティの懇請の自分の良心から、ジョーダン汽船乗っ取りの陰謀を捨ててしまったからだった。

全文を読む(ネタバレを含む場合あり)

スタッフ・キャスト

全てのスタッフ・キャストを見る

関連ニュース

関連ニュースをもっと読む

映画レビュー

映画レビュー募集中!

この作品にレビューはまだ投稿されていません。
皆さまのレビューをお待ちしています。
みんなに感想を伝えましょう!

レビューを書く