爆弾児

解説

かつて青鳥映画以来ユ社映画のスターとして人気を集中していたカーメル・マイアース嬢が同社を退いてヴァイタグラフ社に連続映画俳優として招かれて第1回の作品である。「大奮迅」「見えざる手」そのほか多数ヴ社映画の脚色を扱ったグレアム・ベーカー氏の原作で、監督はロバート・エンスミンジャー。共演者は「愛の岐路」そのほか多数出演のウォーレス・マクドナルド氏である。

1921年製作/アメリカ
原題:Breaking Through

ストーリー

ベティナ・ロウデンはある女学校のおてんば女学生であった。彼女の極端なデモクラティックな思想は常に厳格な教師達の意見と衝突していたが、遂にある水泳競技のあった当日談判破裂して彼女は退学されてしまった。彼女は桑港の我家へ帰って、彼女の後見人マーティンから彼女の財産たるローデン銅鉱山が悪富豪バークランドの奸計で破産の憂目を見ようとしていることを始めて知った。彼女は今や一文無しも同然の身であった。マーティンは彼女にこの危急を救うには、目下敷設中のアラスカのラッキー・ロード鉱山と海岸の間の鉄道を早く完成せしむるにあるを教え彼女にその完成に関する重要書類を与えた。彼女が急ぎそのところを飛び出す途端に思わず行きあたった男、それはウィラード・ワードという快青年であった。その間マーティンの秘書、実はバークランドのスパイは素早く彼女の重要書類を搾取したがたちまち彼女のために奪還される。その夜舞踏会で彼女に求婚したハイカラ男も実はバークランドの息子カーターで、すべてが彼らの奸策であった。また彼女の家へまでバークランドは忍び込んで金庫を破ったが、機智に富む彼女はこれをも退け得た。快青年ワードはマーティンとバークランドとの双方から招聘を受けたが、美しいベティナの加勢たるべく決心する。彼女がその後悪人に追われた時、ある橋下に隠れて悪人の手は脱れたが弱い女の力が絶えて橋下敷丈の激流中に陷らんとしたのを助けるのを始めに彼は彼女の味方としてあくまでも悪人と相争うのである。

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