肉と霊
解説
「リリオム」「春ひらく(1930)」主演のチャールズ・ファーレルがフォックス新入社の舞台女優エリッサ・ランディと共演する映画でエリオット・ホワイト・スプリングスとA・E・トーマスの合作舞台劇を「泥人形」「叛逆者」のジュールス・ファースマンが脚色し「海の狼(1930)」「アリゾナ怪盗異聞」のアルフレッド・サンテルが監督、グレン・マクウィリアムスが撮影の任にあたった。助演者は「河上の別荘」「哄笑の世界」のハンフリー・ボガート、「叛逆者」「黒時計連体」のマーナ・ローイ、ドナルド・ディラウェイ、クローフォード・ケント、パット・サマーセット、アイアン・マクラレン等である。
1931年製作/アメリカ
原題または英題:Body and Soul
ストーリー
英国陸軍飛行軍団の飛行将校のマル・アンドルースとジム・ワトスンとタップ・ジョンスンとは親しい間柄だった。ワトスンはアメリカ人で故国に若い妻を残して来たが、ポムポムというロンドン娘とも関係があって、その女から腕時計を送って来たのを持っていた。ある時ワトスンはドイツ軍の偵察気球を打ち落とせ、との命令を受けたが、彼はただ1人で危険に臨むのは怖ろしいとアンドルースに告げた。それで彼の飛行機が出発する時、アンドルースも跳び乗って同行した。ドイツ軍陣地の上空を飛行中ワトスンは敵弾を受けて戦死したのでアンドルースが代わって操縦し首尾良く使命を果して連合軍の戦線後方に着陸した。そして死んだ戦友の屍を操縦席に座らせて飛行機を飛ばせ、ワトスンが1人で使命を果して名誉の戦死を遂げたように装った。その後アンドルースは戦友の残した形見を持ってロンドンへポムポムを探しに赴いた。彼を戦線から帰休した飛行将校と見てワトスンのことを尋ねた婦人があったので彼はその女のことをポムポムだと早合点して時計を密封した手紙とを渡したアンドルースとその婦人とはひとめ見た刹那から恋し合うようになた。ところがポムポムを間諜として捕縛に来た警官のためにアンドルースも引き立てられ、共謀者として留置された。彼は冤罪もはんはだしいと思ったがポムポムがドイツ探であることの確証を見せられると、恋した女だけに裏切られたような憤りをおさえ得なかった。彼は彼女を殺すつもりで面会に行ったが会えばかえって彼女を逃がしてやりたくなった。ノールズ少佐が2人の逃亡を阻止した時、彼女は自分はワトスン未亡人クララであると名乗った。そこへ彼女を間諜と密告した女が連れてこられた。クララはその女こそ本物のドイツ探ポムポムであることを立証した。かくて恋する女が晴天白日の身になったことを喜んだアンドルースは固く再会を約して戦線へ帰った。
スタッフ・キャスト
- 監督
- アルフレッド・サンテル
- 脚本
- ジュールス・ファースマン
- 原作戯曲
- エリオット・ホワイト・スプリングス
- A・E・トーマス
- 台詞
- ジュールス・ファースマン
- 撮影
- グレン・マクウィリアムス
- 編集
- ポール・ウェザーワックス