テキサスの五人の仲間のレビュー・感想・評価
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【今作は、”優れたるコン・ゲームムービーは観る側をも見事に騙す。”と言う定義が見事に嵌る、西部劇ポーカーコン・ゲームの超絶なる逸品なのである。コン・ゲームムービーの中でも必見だと思う作品でもある。】
■西部のある街の富豪の五人は、年に一度のポーカーを楽しみにしており、その年もある宿屋の一室でポーカーゲームに興じていた。
そこに、町に来た入植者メレディス(ヘンリー・フォンダ)と、その妻メアリー(ジョアン・ウッドワード)、息子のジャッキーの親子がやって来る。
ポーカー好きのメレディスは、妻に釘を刺されつつ、妻が馬車の修理に行っている間に、宿主に頼み込み、ギラツイタ眼で、入植のための参加料1000ドルを払ってそのポーカーゲームに入れて貰うのである。
その姿を見た宿主たちや宿泊者たちは、心配そうにメレディスを見、息子のジャッキーは”駄目だよ!”と叫ぶのであった・・。
◆感想<Caution!今作をまだ見ていない人は、ここまでにしてね!でないと、この映画を観た時に面白さが半減するよ!>
・今作が、コン・ゲームの一級品である事は論を待たないであろうが、それはひとえにメレディスを”演じた”ヘンリー・フォンダと、その妻メアリーを”演じた”ジョアン・ウッドワード、息子のジャッキーを”演じた”男の子の名演による。
・メレディスが、入植するために断っていたポーカーゲームの魅力に抗えず、参加費1000ドルを払った時点で、観る側は”アア・・。”となり、り不安になる。
・そして、ゲームが進む中で、ビッグゲームになった際に、弁護士で紳士的振る舞いをするオットー・ヘイバーショウ(ケヴィン・マッカーシー)、娘の結婚式の途中で抜け出しゲームに参加した、あくのつよいヘンリー・ドラモンド(ジェイソン・ロバーズ)、ベンソン・トロップ(チャールズ・ビックフォード)、ジェシー・ビュフォード(ジョン・クォーレン)、デニス・ウィルコックス(ロバート・ミドルトン)は、人により、1~3枚のカードチェンジをして自信のある手が出来上がる。
だが、その中でメレディスのみはカードチェンジをせずに、手元に残った3000ドルを五人の賭け額同様にテーブルの上に置き、観る側は更に”アアアアア・・。”となるのである。
・更に更に、五人は500ドルをレイズするが、メレディスにはすでに金はない。金時計でドラモンドから100ドルを融通してもらうが、”馬であと‥”と言っても誰も相手にしない中、彼は心臓発作を起こし、駆け付けた妻メアリーと医者のドク・スカリーの手当てを受けるが、彼は退場してしまう。観る側は更に”アアアアア・・。”となるのだが、ここでメアリーが果敢に夫の代わりを申し出るのである。
だが、彼女がポーカーのルールさえ知らない事を知った五人は、イキナリ笑いだすのだが、彼女は”銀行は何処にあるの!”と言い、手札を胸にして、銀行に駆け込むのである。
それは、本来はルール違反なのだが、オットー・ヘイバーショウがとりなし、彼女は銀行の”オーナー”C・P・バリンジャー(ポール・フォード)の身に、その手札を見せるのである。
・すると、その手札を見た銀行の”オーナー”C・P・バリンジャーは、宿屋に乗り込み、その手札をかたにして、高額100ドルチップを山の様に、宿屋の主人に用意させ、ポーカーテーブルの上に置き、他の五人が驚く中、高額レイズを行い、五人は降りるのである。
■妻メアリーの姿を見たヘンリー・ドラモンドは、慌てて家に戻り、結婚式を待っていた娘を相手にせずに、婿になろうとしていた男に”お前は、娘を愛開いているのではなく、俺の土地が目的だろう。と言い大金を渡し、もっと世の中を見ろ!”と言って窓から外に追い出すのである。ここで、観る側は”これ、ヒューマン・ドラマではないか!”と思うのである。
<だが、ここからが、この映画は凄いのである。妻メアリーは、瀟洒な服を着てルビーと名乗り、心臓発作を起こしていた筈のメレディスは、金ぴかの服を着てベニーと名乗り、銀行の”オーナー”C・P・バリンジャー達に、5人から巻き上げた金を、報酬として配るのである。勿論、”息子のジャッキー”にも・・。
そして、妻メアリーの手札が”ブラフ”だった事も告げられるのである。
<今作は、”優れたるコン・ゲームムービーは観る側をも見事に騙す。”と言う定義が見事に嵌る、西部劇ポーカーコン・ゲームの超絶なる逸品なのである。>
フフフ、と笑うラストの意外さ。
今から50年以上も昔の映画。この映画を語るなら洒落たストーリーとしか他に形容する言葉が見つからない。西部劇だけど、悪漢も決闘も撃ち合いも無い。どんな映画か?テキサスの代表する金持ち達が一年に一度ホテルに集まりポーカー大会をする話しなのだが・・・。ポーカーとはトランプを使ったゲームのこと。自分に良い手が出来ても素知らぬ振りをして賭け金を上げて勝負する。逆につまらない手でも無表情に賭け金を上げて勝負に出る。要は駆け引きのこと。相手が降りればこちらの勝ち。勝負しても手札の役が強い時はこちらの勝ち。
顔の表情を消した状態をポーカーフェイスと云うのはここから来た言葉。
さて、何を書いてもネタバレになるので注意が必要だけど要するにラストにドンデン返しのある物語と云うこと。
タイトルのテキサスの5人の仲間とは良く出来たタイトル。
知らない人には、まぁ一度観てご覧なさい。としか云えません。
フフフ。
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