ツンドラ

解説

アラスカのツンドラ地帯の自然を紹介する目的で劇化された物語を持つ映画で、ノーマン・ドーンが監督し、自らジェコブ及びエドワード・カルと協力撮影した。主演者は大学蹴球手として名のあったデル・キャンブレである。約七ヵ月ロケーションを行ってツンドラ地帯の実景が撮影された。

1936年製作/アメリカ
原題:Tundra

ストーリー

アラスカのユーコン地方は小さな集落が百マイルも距てて所々に散在する荒原地帯である。一年の大半を占むる冬が終わると短い夏が来る。熊は穴を出でジャコウ牛もトナカイも灌木や樺の間に見出される。この地方を自家用飛行機で診察に飛廻っている青年医師がいた。ある日イヌイット集落から往診を頼まれて飛行する途中、移動しつつある大氷山に激突して機は爆破し医師は海中に転落した。これを見た大白熊は猛然と襲いかかる。死物狂いで岸に這い上がり洞穴へ逃げ込んだ。身には寸銭も無く食糧の用意もない。穴の奥から巨大な黒熊が忍びよって来た。驚いて岩の裂目に身を避けると雪崩が落ちて大熊は洗いさらわれた。医師は再び洞穴に引き返し二頭の子熊と仲良しになった。一人の男と二頭の子熊は人跡未踏の荒原を奥深く進んで行った。大森林にすむジャコウ牛、トナカイ、大鹿なぞ珍しい獣や奇鳥の飛ぶ大自然の驚異に目を見張りつつ進んで行く。行手から猛豹がおどりかかって来、獰猛なジャコウ牛の群が襲来した。夜ともなれば狼群が物凄く吠え立てる。無邪気に戯れている二頭の子熊と医師は、お互いに危険を救い合いながら望少なき旅を続けた。川の魚や野ウサギを捕って一二ヵ月は過ごしたが、やがて飢餓は医師を脅した。ツンドラ全土を焦土化せんとするような野火に包まれて辛うじて逃れてからは全く途方に暮れた。止むを得ず子熊を殺して食おうかとも思ったが、じゃれつく彼らを見ると心も鈍るのである。医師を探しに来た飛行機は空しく帰って行った。彼らは荒果てた一集落にたどりついた。人っ子一人いない。恐るべき病魔に全滅したのである。突如野犬の群が襲来した。人家の屋根から屋根へ逃げていたが、野犬はどこまでも追って来る。切迫つまった時雪崩にさらわれた母熊が現れて野犬を追払った。熊は子を探して跡を追い、我が子の恩人を共に救ったのだ。そこへ捜索隊の一人が来てようやく彼は白人集落へ着いた。

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