大西洋2万哩

劇場公開日:

解説

この映画はシネミラクルの第1作で、機帆船に乗り組んだ45人の海洋練習生たちの航海記録を描いたもの。船上の生活だけでなく、寄港した各地の様子も描かれている。シネミラクルとは、従来のシネラマとは映写方式が異なり、鏡に反写させ、1カ所から映写するものであるが、日本ではシネラマ方式で映写されている。演出はルイ・ド・ロシュモン。撮影監督はゲイン・レシャー、音楽はモートン・ゴールドが担当。「マーチ・オブ・タイム」のルイ・ド・ロシュモン製作。

1958年製作/アメリカ
原題または英題:Windjammer
配給:東宝
劇場公開日:1962年4月29日

ストーリー

ノルウエイの青少年は誰もが海に憧れる。練習帆船クリスチャン・ラジッチ号の大西洋一周航海の練習生募集には、たちまち500人を超える志願者が殺到した。そして45人の練習生が選ばれた。いよいよ出航の朝、練習生たちはオラヴ皇太子の激励の言葉を受け、冬空のオスロフィョルドの水面をすべり出た。船中では厳しい基礎訓練が続けられ、5日目、船がイギリス海峡に出た頃には、練習生たちもすっかり船上の生活になれていた。10日目が過ぎる頃から海は悪天候になり、航行が自由にならない日が1週間も続いた。そして37日目、見張りはマディラ島を発見した。この島は1419年、ポルトガルの探検家ザルコによって発見された島であるが、久しぶりの陸地の光景に練習生たちは上を下への大はしゃぎであった。マディラを過ぎると貿易風のおかげで、船は順調な航海を続けることが出来た。この間、練習生たちは船の化粧に忙しい。41日目、カナリー群島をすぎるころ、ドイツの帆船パミール号と行き会った。歓声を交換する少年たち。この頃から船は熱帯地域にさしかかり、練習生たちは星のみえる舷側で寝はじめた。86日目、船は待望のトリニダッド島に着いた。島の原住民達とカリプソのリズムに熱狂する練習生たち。126日目、ニューヨークに着いた一行はパーティに招待され、207日目ポーツマスの港では、ボストン・ポップス・オーケストラの大歓迎を受けた。練習生たちはこぞってアメリカ人の友情に感謝するのだった。この演奏会を最後に、船はいよいよ帰路に向った。濃霧の中を航行すること10日間、ついにラッヂ号はオスロに帰航した。大歓声で迎えられ、8カ月ぶりに故国の土を踏む練習生たちの顔は、どれもこれもたくましく、明るくかがやいていた。

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