その前夜

解説

リチャード・コネル氏がコモポリタン誌上に載せた小説One Hundred Dollarsを映画化したもので、ドワイト・カミングス氏が脚色し、「呑気大将漂流の巻」「親爺若返る」と同じくヘンリー・レーアマン氏が監督したものである。「暗黒街のローマンス」「パリ酔語」のメアリー・アスター嬢と「四人の息子(1928)」「四人の悪魔」のチャールズ・モートン氏との2人が主役を演ずるが、そのほかに「血涙の志士」のアール・フォックス氏、「親爺若返る」のアーサー・ストーン氏、フローレンス・レイク嬢等も出演している。

1929年製作/アメリカ
原題または英題:New Year's Eve

ストーリー

大晦日の晩がめぐって来た。マージョリー・ウェーアは死物狂であった。働くにも職がなかった。懐には金が無かった。病気の弟は来遅れたサンタ・クロースの来訪を未だに待っている。そして下宿のお上さんは口汚く滞った宿賃の催促をするのであった。マージョリーは当もなく職を探しに街に出た。彼女は若い金持のエドワード・ウォーレンが落とした財布を拾って彼に渡した。ウォーレンはマージョリーに金の必要なのを見てお礼にと無理に100ドルの切手を彼女にやった上で去って行った。喜んでマージョリーは宿へ帰る途中でその切手が何者かに盗まれていた。万策尽きた彼女は友達パールの言に従って賭博打のラリー・ハーモンに借金を申出、その部屋を訪れた。一方、ウォーレンは気晴らしにとハーモンの賭博場に顔を出した。すると彼が驚いたことには、スティーヴという男が彼がマージョリーに与えた切手を持っているのである。その内に、スティーヴはハーモンと争論を始めて、ハーモンの手下によって通りへ放り出される。ハーモンはマージョリーに金を貸す報酬として醜い要求をした。マージョリーはそれを拒み2人が争っている内に、怨みをかえしに入り込んで来たスティーヴはハーモンを射殺して、窓から脱れる。ウォーレンはマージョリーを連れて抜道から逃げようとしたが、ハーモンの手下から親分の仇として捕らえられた。しかし窓から落ちて死んだスティーヴがハーモンを殺したのだと知れて、ウォーレンとマージョリーは自由の身となった。ウォーレンは、マージョリーの悩みを知って、彼女の弟と、あわせて彼女へと幸福をもたらすのである。

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