全米軍

解説

「蹴球大学」「楽園の大河」のラッセル・マックが監督した蹴球映画で、全米国の有名な蹴球選手を網羅して出演させている。俳優では主役が「タッチダウン」「虎鮫」のリチャード・アーレンで「大空の闘士」のグロリア・スチュアート、「蹴球大学」「男子入用」のアンディ・デヴァイン、「ドクターX」「二秒間」のブレストン・フォスター、「米国撃滅艦隊」「歓呼の涯」のジェームズ・グリースン、「地獄の天使(1930)」のジョン・ダーロウ、「浮気合戦」のマーナ・ケネディ、ジューン・クライド、マーガレット・リンゼイ、エセル・クレイトン、アール・フォックス、ロバート・エリスその他が助演している。原作は「蹴球大学」「ボルネオの東」と同じくリチャード・スカイヤーとデール・ヴァンエヴリイの合作で、「太平洋爆撃隊」「大空の闘士」のフランク・ウィード少佐がフェルディナンド・ライハーと共同で脚色に当たった。撮影も「蹴球大学」「ボルネオの東」のジョージ・ロビンソンの担当である。

1932年製作/アメリカ
原題または英題:The All American

ストーリー

パシフィック大学の蹴球名選手ギャリイ・キングは全大学の羨望を集め、且つ女学生のエレン・ステフェンスと自分の弟ボッブとに崇拝されていた。エレンはギャリイを愛していたが、ギャリイは富豪の娘グロリア・ニューチャードに興味を持っていた。ギャリイは蹴球記事を新聞雑誌などに寄稿して莫大な報酬を得るので、彼は大学などは卒業する必要はないと思うようになった。そしてエレンや学友たちの忠告を退けて中途退学してセールスマンになった。ギャリイはグロリアの紹介で富豪の子弟と近づきになり、証券のセールスに非常な便宜を得られたので、彼とグロリアとの仲は加速度的に親密になり、エレンは殆ど顧みられなくなった。ギャリイは自分の蹴球選手としての名声で何でも出来ないことはないと信じて有頂天になっていたが、大学を退学して了った彼は次第に世間から忘れられて行った。彼に残された唯一の道はグロリアが紹介してくれた富豪子弟等で、彼らとの交際を続けて行くために、ギャリイは彼らの賭博の相手をしなければならなかった。そしてそれらの借金の穴埋めに使い込みをするようになり、その額が多くなって到頭証券会社を頚になって了った。困った彼は蹴球試合を当込んだ職業賭博者の手先きとなるまでに堕落した。彼が全米軍に選抜された時、賭博者共は試合に負けて呉れと交渉した。一旦それを引受けはしたがキャリイはさすがに良心に恥じて試合を投げることはしなかった。賭博者共は憤慨して全米軍の主将にギャリイが賭博者仲間であるとバラしたので彼はたたき出されて了った。かくて昔の友達全部から弾劾されたギャリイは暮夜パシフィック大学の蹴球場に端座して改心し、建築家となっている親友スティーヴに職を与えて呉れと頼んだ。スティーヴは辛い仕事を与へたがギャリイは忍んで懸命に働いたので、改めてギャリイは良い仕事を貰った。ギャリイの弟ボッブは兄のあとを歩んで名選手となり全米軍の一員に加えられた。しかもボッブはグロリアとまでも兄同様に交わってた、自分にはベティーという隠し妻があるにも拘らず。ギャリイは自分の轍を踏ませるに忍びず弟を懸命にいさめたのでボッブは遂、目醒めてベティーの許に帰った。スティーヴは新しい蹴球場建築を請負った。ギャリイはスティーヴの共同経営者として事業を始めた。それと同時に長い間ギャリイを想っていたエレンの純情に心から動かされた彼は彼女を妻に迎えた(大日本ユニヴァーサル社輸入)

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