世界は還る

解説

「仮面の米国」と同じくマーヴィン・ルロイが監督に当たったポール・ムニ主演映画でシェリダン・ギブニー作の小説「アメリカは危うく」に基づいて「地獄の市長」「戦線の嵐」のエドワード・チョドロフが脚色したもの。撮影は「凡その人生」のトニー・ゴーディオの担任。助演者は「餓ゆるアメリカ」のアリーン・マクマホン、「ケンネル殺人事件」のメアリー・アスター、「紅唇罪あり」のドナルド・クック、舞台から来た新人ジーン・ミューア、「戦線の嵐」のマーガレット・リンゼイ、「舗道の三人女」のパトリシア・エリスその他である。

1933年製作/アメリカ
原題または英題:The World Changes

ストーリー

1856年オリン・ノードホルムは妻アンナと共にダコタの平原に移住しきって農場を初めた。南北戦争が終わるころには相当の集落ができ、オリンヴィルと命名される。1子オリン2世は長ずるや冒険欲に駆られ、テキサスの牧牛を北の方オマハまで2000里の輸送を行って大儲けをする。その度胸に感心した肉類とんやのクラフリンは、彼を片腕と頼んでシカゴで大規模な肉類販売会社を起こす。オリンは故郷に相愛の乙女セルマがあったが事業欲に心奪われ、クラフリンの娘ヴァジニアと結婚する。間のなく死んだクラフリンの後を継いだオリンは若年にもにず、頭が良いのと果断なのとで、経験ある同業者連を尻目に、着々と事業を拡張して、遂に世界第1の肉類王と歌われるほどの大成功をかち得、シカゴの発展にも尽力するところがあって、アメリカ合衆国有数の大実業家と自他共に許すほどになる。妻ヴァジニアは虚栄心が強く夫の職業を軽蔑していたが、息子リチャードをニューヨークの名家クリントン家の令嬢ジェニファーと婚約させたので、クリントン家に対する見栄から来客たちの前で、夫は肉やを廃業します、と披露する。オリンは起こって妻と2人の息子を自室に呼んで決して廃業しないと怒鳴る。失望したヴァジニアは卒倒し、発狂して死んでしまう。それを見たオリンは妻の菩提のためと肉やを廃業して、リチャードを望むままに結婚させる。リチャードはニューヨークで株式仲買人となり、オリンもニューヨークで暮らす。かくて1929年、リチャードの息子ポールとオリン3世と娘ナタリーは成人し、ナタリーは母ジェニファーの思惑でイギリスの貴族サー・フィリップ・アイヴァと婚約を結ぶ。ポールは他人の金を流行していたが、10月下旬の大恐慌に、リチャード、ポールの父子は大打撃を受ける。オリンは孫のオリンが心掛けがいいので、かつての恋人セルマの孫娘セルマと娶すべくオリンヴィンへ赴かせ、一方ノードホルムの家名を汚すまいと、100万ドルを投げだしてポールが開けた穴を埋める。リチャードは妻が不義をしていたことを知るや自殺して果て、アイヴァは破産と聞いて結婚式場から逃げ出す。オリンは切望して倒れるが、孫のオリンはノードホルム家再興の希望に燃えてセルマと共にノース・ダコタの田園に新しい人生を踏み出すのであった。

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