生活の悦び

解説

「新婚道中記」「たくましき男」のアイリーン・ダンと「パリの評判女」「処女読本(1938)」のダグラス・フェアバンクス・ジュニアが主演する映画で、「奴隷船」「狙われたお嬢さん」のテイ・ガーネットが監督に当ったもの。ストーリーは「処女散歩」のハーバート・フーフィールズと「有頂天時代(1936)」の歌詞作者ドロシー・フィールズが協力して書下ろし「歴史は夜作られる」「暗黒街の弾痕」のジーン・タウン、グレアム・ベイカーのチームが更に「踊らん哉」のアラン・スコットと協力して脚色している。助演者は「オーケストラの少女」「シカゴ」のアリス・プレディ、「山の法律」のガイ・リッピー、「すばらしき休日」のジーン・ディクソン、「ステージ・ドア」のルシル・ボール、「戦愛合戦」のエリック・ブローア、「青髭8人目の妻」のウォーレン・ハイマー、「天晴れ着陸」のビリー・ギルバート等である。撮影は「新婚道中記」「わが家の楽園」のジョセフ・ウォーカーが担当している。

1938年製作/アメリカ
原題:Joy of Living

ストーリー

歌姫マギー・ギャレットが、舞台を終えて楽屋口へ出ると、たくさんのファンがサインを貰おうと集まっていた。身動きも出来ない彼女を車まで運んでくれたのは、ダン・ブルウスターであった。彼はボストンの富裕な家に生まれ、マギーの賛美者であったが、彼女はダンを誘拐魔と勘違いして大声を挙げたので、警官が駆けつける騒ぎになった。マギーの家族はシェークスピア劇役者だった父を始め、母親、妹のサリナとその夫のバート4人が、働きもせず彼女1人に頼っていたが、気のいいマギーは家族は真実自分を愛しているのだと考え、秘書のハリスンが注意してもそれを受けつけなかった。次の日、彼女は郊外へドライヴして次の出し物の研究をしてから劇場へ稽古に向った。ところが昨夜の青年ダンがどこまでも後をつけてくるので、マギーはとうとう彼を警官に補導してもらう。裁判所は6ヵ月の刑に処する代りに、以後ダンはマギーの監視を受けねばならぬと言い渡す。こんなことで2人は親しくなった。ダンは帆船を持っていて、愛する女と2人で南海の島に住むのが彼の理想である。マギーは彼を好きになったが、家族の悪口を云われたので腹を立てる。翌日仲直りした2人は、遊び廻って遅く帰ったが、ダンはそのまま居間で一夜を明かした。朝になってそれを知った家族は、男が出来ては人気にかかわると大騒ぎをする。マギーは彼らの利己主義に腹は立てたが、やはりダンを追い出してしまった。失望したダンは帆船で南海へ出発の準備をした。マギーは彼と別れるに忍びず後を追って結婚してくれと頼んだ。そして2人は式を済ませたが、彼女はやはり華やかな舞台を退く着にはなれなかった。ダンはついに彼女を諦めた。そしてマギーを家へ送りとどけ、離婚を申渡して去って行った。家族の者は大喜びであった。それを見るとマギーは、彼らがただ自分を喰い物にしているにすぎぬことを知った。彼女は家族の者に、それぞれ自分で働いて生活を立てなさいと怒鳴りつけた。そのまま家を飛び出すと、南海の孤島へ1人で去ろうとしていたダンの船へ、愛に生きるべく彼を追って駆けつけたのである。

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