スポイラース(1930)

解説

「テキサス無宿」「ヴァージニアン(1929)」のゲイリー・クーパー氏主演映画で、かつて映画化されたことのあるレックス・ビーチ氏作の同名の小説に基いて「笑う女」「ベンスン殺人事件」のバートレット・コーマック氏が脚色し、「勇者ならでは」「拳の王者」のアグネス・ブランド・リー女史が台本を作り、「エヴァンジェリン(1929)」「復活(1927)」のエドウィン・カリュー氏が監督し、「悪魔の日曜日」「摩天楼の巨人」のハリー・フィッシュベック氏が撮影した。助演者は舞台出身のケイ・ジョンソン嬢、「グレイト・ガッポ」「ストリート・ガール」のベティー・カンプソン嬢、「ベンスン殺人事件」のウィリアム・ボイド氏、「アイスクリーム艦隊」「西部の星影(1930)」のハリー・グリーン氏、「西部戦線異状なし」のスリム・サマーヴィル氏、かつて監督者たりしジェームズ・カークウッド、オスカー・アッフェル、ロイド・イングレアム3氏である。

1930年製作/アメリカ
原題または英題:The Spoilers

ストーリー

アラスカで金掘りをしているローイ・グレニスターは仲間のジョー・デクストリーと共に何度目かのアラスカ渡航船に乗った。その時ヘレン・チェスターという娘を助けてやったローイは彼女に恋するようになったが、彼女は真正直で野蛮に近い若者に半ば心を惹かれ、半ば嫌悪していた。ローイはジョーとスラップジャック・シムスと3人でマイダス鉱山という有望な金坑を所有していた。ところが合衆国政府を代表する3人の役人が、政府を笠にきてマイダス鉱山をはじめ多くの金坑を横領しようとし始めた。3人の役人というのは首魁株の腹黒い悪政治屋アレック・マックナマラと、判事のステルマンと、合衆国人民保護官の要職に在る評判の悪い男ヴーリーズで、彼等は結託した私腹を肥やすことに汲々としていた。ヘレンはステルマン判事の姪に当たるので彼等を同じ家に起居していたが、マックナマラは彼女と結婚する心算でいた。計画の第一歩として判事はマックナマラを金鉱管理人に任命した。これに対しジョーは暴力を以て争おうと力説したが、ヘレンの忠言を容れたローイは公正なる法律の擁護の下に法廷で黒白を争うことに決めて訴訟を提起した。腹黒いマックナマラはローイが上告するために弁護士を合衆国に派遣することが出来ないように金庫の現金を奪ってしまった。ローイを愛している酒場の女チェリーはローイからヘレンを愛するようになったからお前とは切れる、と振られて嫉妬し、ヘレンはマックナマラの手先きでローイを色仕掛で操っているのだと聞えよがしに訴訟をした。それを聞いて憤慨したローイは腕力を以て事件を解決せんと決心し、配下の者と共に砂金を強奪して弁護士派遣費用に充てた。弁護士はマックナマラ管理人を罷免の令状を持って帰ったがスチルマン判事は故意にそれを認めない。ローイは暴力を用いんとしたが、マックナマラは合衆国派遣軍に乞うて鉱山を守った。しかも奸悪な彼は軍隊の宿所にダイナマイトを仕掛けて、軍隊を鏖殺し罪をローイ等に被せんと計った。スチルマン判事は驚き怖れてその事をヘレンに告げたので、彼女は急を軍隊に報じて危うく全滅になるのを救った。事破れたのを知ったマックナマラは高飛びせんとしたが、ローイは追跡して大格闘を演じた末マックナマラを倒した。そして彼とスチルマン判事とは逮捕された。チェリーはヘレンのことを悪し様に言ったのは偽りであると告白したので、ローイとヘレンとは仲直りをした。

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