スコオ・マン
解説
「ダイナマイト(1929)」「マダム・サタン」に次ぐセシル・B・デミルの監督作品で、原作はエドヴィン・ミルトン・ロイルの筆になる舞台劇。それを「マルタの鷹(1931)」「夜の大統領」のルシエン・ハバードと「赤熱の抱擁」のレノア・コフィーが脚色し、エルシー・ジャニスが台紙を附し、、「マダム・サタン」のハロルド・ロッソンが撮影したものである。出演者は「陽炎の春」「反逆者」のワーナー・バクスター、「復活(1931)」「東は西」のルーペ・ヴェレス、「忍び寄る心」「緑の処女地」のエリナー・ボードマンで、「夜霧の女」のポール・カヴァナー、「氷原の彼方」のチャールズ・ビックフォード、J・ファーレル・マクドナルド、ローランド・ヤング、レモンド・ハットンその他が助演。
1931年製作/アメリカ
原題または英題:The Squaw Man
ストーリー
カーヒルの伯爵ヘンリーはダイアナと結婚した。ヘンリーの従兄ジェームズは秘かにダイアナを恋していた。ダイアナもまた彼を憎からず思っていたが機会に恵まれず、ジェームズは二人の結婚に悶々の情を抱きながらも清き友情を続けていた。たまたまヘンリーが慈善事業の公金を費消したのをジェームズが一身に引き受け世の疑惑を浴びながら米国に渡った。アリゾナ州でジェームズは名もジム・カーストンと変名し、牧場の所有者として生活していたが、ホウキンスという悪漢の手からインデアンの酋長の娘でハーフのナタリッチを救って以来ホウキンスはジェームズをつけねらっていた。ある日ジェームズはホウキンスの銃の犠牲とならんとしたが、突如、どこからか銃声が聞こえてホウキンスは倒れた。ナタリッチが彼を救ったのであった。その後ジェームズの現れるところ影の如く常につきまとうナタリッチの事が忽ち付近の人々に間に広まった。ジェームズは官憲の手が彼女の身の上に迫っているのでしばしば彼女を追い返すのであったが彼の身辺を離れなかった。彼は次第に彼女の熱情に動かされて二人は結婚し、可愛い子供まで儲けるようになった。数年後ダイアナ夫妻は狐狩にこの地方を訪れ、夫のヘンリーは不慮の災難で帰らぬ人となった。ジェームズを慕っていたダイアナは彼の便りを仄かに耳にしていたのでその行方を求めようやく彼を発見したが、彼が原住民の娘と結婚している事を知って失神せんばかりに驚いた。然しジェームズの子供の教育上、子供をダイアナの手に委ねる事に話しはついたがナタリッチは子供と別れるに忍びず、かつはジェームズとダイアナの仲を思い、折も折、彼女が殺人罪に問われて逮捕される運命になったので自殺したのであった。
スタッフ・キャスト
- 監督
- セシル・B・デミル
- 脚色
- ルシアン・ハバード
- レノア・コフィー
- 原作戯曲
- エドウィン・ミルトン・ロイル
- 台詞
- エルシー・ジャニス
- 撮影
- ハロルド・ロッソン