劇場公開日 1991年11月2日

「クライマックスのスピーチなら「マジェスティック」の方が・・・」真実の瞬間(とき) よしさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5クライマックスのスピーチなら「マジェスティック」の方が・・・

2023年11月8日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

50年代のアメリカで吹き荒れた、マッカーシズムに翻弄されたハリウッドと主人公を描く物語。

史実を基にした作品のようですね。
幾つかの映画の題材となっているマッカーシズム。ソ連との冷戦、共産主義への過剰な恐怖と嫌悪。そして、権力者が絶えず欲する仮想敵。アメリカ国中がレッドパージに熱狂し、抗することが出来ない状況がとても良く描かれているように思います。

この映画では、仲間を密告することを良しとせず、仕事とプライドを奪われた主人公と家族の苦悩を活写。ロサンゼルスからも離れ、映画からも離れてもなお、追及を緩めない司直の無慈悲さに戦慄します。
ラストにカタルシスを感じることが出来たか・・・は、観る人によるのでしょう。
制作陣がカタルシスを与えようと工夫したのは分かるのですが、個人的には少し物足りなさを感じました。この映画のモデルになった監督は、結局フランスに亡命してしまったようですから、その意味ではモヤモヤ感が残るラストは仕方ないのかもしれません。

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よし