真実の告白
解説
「スイング」「春を手さぐる」と同じくキャロル・ロンバードとフレッド・マクマレイが主演する映画で、「ロミオとジュリエット」「君若き頃」のジョン・バリモアが共演する。ルイ・ヴェルヌイユとジョツジュ・ベール合作の舞台喜劇を素材として「花嫁の感情」「パリで逢った彼」と同じく脚色クロード・ビニヨン、監督ウェズリー・ラッグルズが作ったもので、撮影は「スイング」「春を手さぐる」のテッド・テズラフが当った。助演は「サラトガ」「悔悟」のユーナー・マーケルを始め、「海の魂」のポーター・ホール、「スタア誕生(1937)」のエドガー・ケネディ、「金髪騒動」のリン・オヴァーマンその他である。
1937年製作/アメリカ
原題または英題:True Confession
ストーリー
弁護士ケン・バーレットは曲ったことが第帰来の正直一途の男だったので、依頼者が少なく生活ははなはだ苦しかった。妻のヘレンは小説家志望だったが、原稿は一向に売れずただ嘘をつくことが上手で、パン屋や肉屋やタイプライター販売人への支払いには、夫を病気にしたり死なせたり精神病者にさせたりしてうまく追払った。しかしいつまでも嘘は通らないので、ケン二は内緒でクレイラーという男の秘書になることにした。1日3時間働いて週給50ドルという素晴らしい職だったが、彼の家へ行ってみると秘書というのは名ばかりで実はお妾みたいなものだった。憤慨したヘレンはクレイラーを一つ殴りつけ、急いで外へ飛び出したが、あわてていたので帽子とハンドバッグを忘れて来た。1人で取りに行く勇気ははく、友達のデイジーを誘って恐々彼の家へ入るとそこへ警官が駆けつけてヘレンを逮捕した。意外にもクレイラーは殺されていたのであった。探偵ダーシーは彼女を殺人犯として訊問したが、ヘレンは5通りも違った自白をして彼を散々に悩ます。結局、彼女は自分が殺人をしてケンが弁護に立てば彼の名声があがると考え、潔く殺人を認めたのである。公判の結果、ケンの弁護によって正当防衛が認められ、彼女は無罪になり予想通りケン名弁護士として売出し、ヘレンの小説も売れて来たので、2人は山の別荘で週末を送るほどの身分になった。ところが自ら犯罪学者と称する酔払いのチャーリーという男がいて、別荘を訪れてクレイラーの紙入を示し、自分こそ真の犯人だと名乗り、その紙入を高売に売付けようとした。折角嘘で得た名声が消えそうになってあわてている時、ケンが現れてチャーリーを責め、真犯人はチャーリーの義弟で既に死んでいることが判った。これでチャーリーは退散したが、怒ったのはケンである。愛想をすたして家を出ようとした時、ヘレンは「赤ん坊が生まれるのよ」と叫んだ。この嘘にケンは見事に引っかかって帰ってきた。そしてヘレンは今にこのことは嘘でなくなるのだと言い、さすがのケンもこれを最後の嘘にせねばならぬと約束させ、やはり2人は元通りの仲の良い夫婦として暮らすことになった。
スタッフ・キャスト
- 監督
- ウェズリー・ラッグルス
- 脚本
- クロード・ビニヨン
- 原作
- ルイ・ベルヌイユ
- ジョルジュ・ベール
- 製作
- アルバート・リューイン
- 撮影
- テッド・テズラフ