獅子使い一座

解説

「ギャング・ワー」と同じくジェームズ・アシュモア・クリールマン氏の原作によったもので、メルヴィル・ベイカー氏の脚色により「軍法会議(1928)」「掠奪軍」と同じくジョージ・B・サイツ氏が監督した映画である。主役を演ずるのは子役で名高いフランキー・ダーロ君、「娘十八コーラス時代」のジョー・イー・ブラウン氏、「指紋名探偵」「ロンドンの丑満時」のヘレン・コステロ嬢、等の人々で、その他サーカスの道化師であるプードルス・ハンフォード氏、ライオネル・ベルモア氏、サム・ネルソン氏、等も出演している。

1928年製作/アメリカ
原題または英題:The Circus Kid

ストーリー

孤児のバディはカドワラダー・サーカス一座の人気者であった。バディをこの一座に入れたのはサーカス界で名の知られたプードルスであったが、その後バディの離れ業はこの一座の呼びものとなったのである。それは屋根の頂上から滑車によってすべり降りる芸当であった。女馬術師のトリクシーと獅子使いのタッドとは共にバディの良い友達であった。しかしバディの一番の仲良しは「キング」クルューガーと呼ばれた今こそ腕が鈍っているけれども、会ては評判の獅子使いであった。クルューガーは己れを誤らせたのは酒であることを知り、酒を絶って再び古の気力を取り返そうと焦っているのであったが、酒の誘惑は根強いものであった。彼はトリクシーを真底から恋していた。が、トリクシーの恋人は他にあった。トリクシーはタッドが売り出したならば彼と結婚しようとその日を待っているのである。もっともトリクシーもクルューガーを気の毒には思っていた。そして彼から飲酒の悪癖を除いてやろうと心を尽していた。その内にクリューガーはトリクシーがタッドと恋仲であることを知り、絶望の底に沈んだ。このすぐ後、サーカスはバディの故郷へ一興行うちに行った。バディはクリューガーに目醒しい芸をさせたかった。が、クリューガーはそれを断った。で、バディが得意の離れ業をしにポールを攀ったのであるが、その時大風が出て天幕を覆えし、獅子どもが狂い出した。獅子がタッドに飛びかかろうとするのを眺めたバディはロープをすべり降りてそれを救けようとした。獅子は今度はバディをめがけた。これを見たクリューガーはこの小さな友を助けるために身の危険を冒して跳び込んで行った。彼の働きでバディは助かった。が、この時に受けた傷のためにクリューガーは命を殞した。彼はトリクシーに抱かれたまま瞑目した。再び男となり得た誇りに最後の決心の笑みをもらしながら。

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