喰人種征服

解説

「国境の狼群(1930)」「西部の星影(1930)」のリチャード・アーレン氏と「国境の狼群(1930)」「テキサス無宿」のフェイ・レイ嬢とが主演する映画で原作はジョン・ラッセル氏の小説、それを「半分天国」「楽屋行進曲」のジョージ・アボット氏が脚色、監督し「続フウマンチュウ博士」「危険なる楽園」のアーチー・スタウト氏がキャメラを担任した。助演者は「国境の狼群(1930)」「駄法螺成金」のユージーン・パレット氏、ロバート・グレックラー氏その他である。

1930年製作/アメリカ
原題:The Sea God

ストーリー

南洋との交易を業とするフィリップの競争相手シュルツというのは恐ろしい野獣のような男であった。フィリップにはデイジーという恋人があったが彼女は父親が死んだ折丁度フィリップと誤解していたため職にありつく話から心にもなくシュルツに結婚を半ば承諾した形になってしまった。骸子の勝負に負けたフィリップは自分の持船と積荷を賭けて海上遥かの島までシュルツと競争をした。フィリップはシュルツを追い抜いて走っていたが途中まで来た時彼は丸木舟で流されつつある1人の人間を発見した。そこでフィリップは勝をシュルツに譲ってその漂流者を助けた。救助された男は深い感謝とともにフィリップに4個の大真珠を與えそれらは附近の島から採って来たものだと悟った。真珠を売り船を買い戻したフィリップはその島に行く準備をした。シュルツはこの話を聞き込みフィリップに分け前を要求したがフィリップの一撃に撃退されてしまう。だが飽くまでも貪慾な彼は子分を引連れフィリップの跡を尾けることにした。フィリップの船は目的の島に到着し彼は潜水服を着て海の底に潜って行った。彼が真珠を捜している間に喰人種の一隊が現われフィリップの船を焼打ちする。そして丁度その時彼の船に身を隠していたデイジーと船員マッカーシーを除くほか全部殺されてしまう。2人は蕃人の捕虜となる。海底にあったフィリップは空気の輸送が止ったのでホースを切断し岸辺へ辿りついた。そして知らず知らずのうちに彼は蕃人の集合地まで歩いて行った。所が彼の異様な恰好に驚いた蕃人はフィリップを神と信じ残らず彼の前に跪づいて禮拝し数多の真珠を捧げた。この思い設けぬ機会のために彼は捕虜となっているデイジーとマッカーシーとの危い生命を救った。翌日シュルツの船がこの島に来た。彼は大砲を用いて蕃人を威嚇した。この間にマッカーシーは再び捕えられたがフィリップはデイジーを連れて洞穴に隠れた。シュルツは2人を発見しデイジーは船へ拉し去られる。だが勢を盛り返した蕃人の逆襲を巧みに操ったフィリップの機智によってシュルツ一味は全滅しデイジーとフィリップの上に幸福が訪れた。

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