「正統派のはずなのに、何かがおかしい」エレファント・マン うそつきカモメさんの映画レビュー(感想・評価)
正統派のはずなのに、何かがおかしい
何だろう。「ツインピークス」でその風呂敷の拡げ方に夢中になって追いかけた挙句、突き放された苦い経験があるのですが、まだそんなことはおくびにも出さない頃のリンチ作品で、正統派のヒューマンドラマと思わせといて実は…みたいなひっかけは一切ありません。
ただ、当時「泣ける」というような評価を真に受けて、見てみたら何か違う、何かがおかしい。と思ったのが正直なところで、その一つが主人公の顔の特殊メイク。徹底して最後まで見せないつもりかと思いきや、意外にあっさり途中で顔をさらし、そこからはひんぱんに素顔で登場しますが、顔の扱いが凄く雑な印象を受けました。
同時代の映画「スターウォーズ帝国の逆襲」なんかでは、異星人のリアルな表情をアニマトロニクスで巧みに表現できていたので、もっとリアルな造作が出来たんじゃないかと思いました。いかにも作り物という風情の特殊メイクにはかなりの違和感を抱いたのです。そのことが残念過ぎて、映画の世界にもう一つはまり込むことが出来ませんでした。
2018.4.5
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