「クリフトとランカスターの対照的な男の生き方」地上(ここ)より永遠に Gustav (グスタフ)さんの映画レビュー(感想・評価)
クリフトとランカスターの対照的な男の生き方
イギリスのチャーチル首相は、日本が真珠湾攻撃で宣戦布告したことを大層喜んだという。ヨーロッパ戦線でナチス・ドイツに対抗するには、アメリカの参戦が必要と認識していたからだ。そんな国際緊張の時代背景のハワイ・ホノルル基地の腐敗を描くフレッド・ジンネマン監督の真意は、どこにあるのだろう。ダラケタ軍内部の単なる暴露なのか。冷戦時代の軍の引き締めを求めたのか。南国の楽園が一瞬にして戦場になる無情を描きたかったのか。アメリカでは、アカデミー賞始め高く評価されているが、日本ではそこまでではない。ジンネマン監督の律儀で緩みのない演出と豪華なキャスティングを楽しむのが限界である。モンゴメリー・クリフトが演じるラッパ手ブルーイットが、アンジェロの死を悼み涙を流しながら吹くシーンが印象的。
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