月光の夢

解説

パーシヴァル・ワイルドの原作を「混乱の巷」「誘惑の唇」と同じくキング・バゴットが監督したもので、セネット喜劇からユ社のスターに招かれたマリー・プレヴォー第1回の作品である。相手は「悪魔の合鍵」などに出演のクライド・フィルモアで、そのほかジョージ・フィッシャー、ライオネル・ベルモアらも出演する。

1921年製作/アメリカ
原題:Moonlight Follies

ストーリー

生まれながら男の心を捕らえ、男を操ることに特殊の快感を感じるという、仕末の悪いナン・ラトリッヂは、今や花も恥らう19歳の春を迎えた。言い寄る男の数多き中にもリーン・スマイスという男は、余り度々結婚を申し込んだので、自分ながらラトリッヂ家の1人であるかのように思い込んでしまったくらい。ある日ナンは父から早く夫を選んで身を固めるよう勧告され、その室に影の映った男ー―トニー・グリスウォルドを不見愽で選んだ。ところがこのトニーは女嫌いで通っているほどの変わり者で、ナンは勢止むを得ず彼をして彼女に注意せしめるよう秘術の限りをつくすことになる。効果はてきめん、月美しき夜トニーは彼女に結婚を申し込んだ。しかし彼女は1度は同意したが、客の前でトニーが彼女に婚約の発表を要求した時彼を憎むと言い放って恥をかかせる。トニーはその晩彼女を力ずくで誘拐し、山中の天幕へ連れて行って、遂に彼女を自ら進んで彼の腕に抱かれることにさせてしまった。

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