喧嘩屋敷嫁取苦労

解説

アメリカ名物の一つユダヤ人対愛闌人喜劇を映画化したもの。レオン・デ・コスタ氏原作の舞台劇をジェラルド・C・ダフィー氏が脚色し「キートンの大学生」及びリチャード・タルマッジ映画の監督者だつたジェームズ・W・ホーン氏が監督した。主要俳優は「第一曲馬団」「肉弾王」のヴァイオラ・ダナ嬢、「馬屋騒動成金物語」「同パリの巻」のヴェラ・ゴードン嬢、「ヴァージニアン(1923)」その他の監督者で自殺を遂げたトム・フォーマン氏、等でキャスリーン・マイアース嬢、ナット・カー氏も出演している。

1926年製作/アメリカ
原題または英題:Kosher Kitty Kelly

ストーリー

ニューヨークのイースト・サイドに住んでいるアイルランド人の娘キティー・ケリーは母親と弟のバーネーと一緒に暮らしていた。そしてキティーには矢張アイルランド人で巡査を奉職しているパット・サリヴァンという恋人があつた。ケリー一族に隣り合つてユダヤ人フェインバウム母娘が住んでいたが娘のローズは若い醫司のモリス・ローゼンという同族と恋仲だつた。そして母親のフェインバウム未亡人は階下の食料品店を経営しているユダヤ人ジンスバーグを好いていた。悪友の感化で不良少年になつたバーネー・ケリーはある時呰にそそのかされて銀行に売上金を預けに行こうとするギンスバーグをホールド・アップしようと企てた。巡回中のサリヴァンは追跡してバーネーの肩に傷を負はせた。それでも辛くも逃れたバーネーは自分の家へ隠れた。姉のキティーは弟を捕えに来たサリヴァンにバーネーはいないと言つたが血痕を胡摩化すことが出来ず、警官は逃亡者が気絶しているのを発見した。サリヴァンは恋と義務との板挾みになつたが、遂にキティーの懇願を斥けバーネを引立てた。そして病院自動車に連込むと偶然乗つていた醫員がローゼンでキティーを一緒に乗せて病院へ連れて行つた。ローゼンの親切に感動したキティーは更に病院で弟さんは助かると言はれた時感謝のあまりローゼン醫師に接吻した。来合わせてその様を目撃したサリヴァンとローズは憤慨して去つたが、面当気味からこの両名が恋人らしく振舞うようになつた。この結果に眉をひそめたのはケリー夫人及びフェインパウム夫人で、各々の娘が同族でない恋人を持つに至つたのを歎いた。それが昂じて両家族は街上に於いて大喧嘩を始めるという騒ぎまで持上つた。サリヴァンは区会議員の候補に立たうと思つたが、彼がそれを断念すればバーネーの罪が放されると知つたのでキティーを真実愛している彼はこの犠性を敢てした。とは知らぬケリー姉弟はサリヴァンを恨んでいたがギンスバーグの店から火事が起つた時、サリヴァンはキティーをローゼンはローズを、ギンスバーグはフェインバウム夫人を心々救つたので四方八方圓満になつたのである。

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