クリスチャン

解説

「マンクス・マン」等を書いたイギリス現代の小説ホール・ケーン卿の原作になった小説及び舞台劇に基づき、「ローナ・ドゥーン」「モヒカン族の最後(1920)」等を製作したモーリス・トゥールヌールが監督したもの、かつて10年ほど前にヴァーイタグラフ社が映画化したことがあるが、本邦へは紹介されなかった。小説では時代を19世紀の初期に取ってあるが、映画では現代に改められている。主演者は「爆音千里」「光栄の愚者」等出演のリチャード・ディックスス、「愚なる妻」のメイ・ブッシュ、「センチメンタル・トミー」「恋文無用」のギャレス・ヒューズ、「海底の大宮殿」のフィリス・ヘイヴァー、「或る愚者有りき」「死後の霊魂」のマーロン・ハミルトン等、見事な役割である。

1923年製作/アメリカ
原題または英題:The Christian

ストーリー

平和なマン島の富裕な家に生れたジョン・ストームは、富めるものの虚偽に愛想を尽かし牧師になって貧しきものを救おうとロンドンへ出る。彼の幼馴染みの恋人グローリーもロンドンへ出て看護婦になったがロバートという放蕩貴族に誘惑され、子供を産んで勤め先の病院を解雇された。ストームは貧民の間に慈善事業をして尊敬をされていたが、グローリーを救わんとして果さず魂の安息を求めて、修道院に世を離れた生活に入った。しかし彼の心にはグローリー恋しさの情熱が焔のように荒れ狂った。冷たい僧房の一室に、彼は狂気の如く悩えたのであった。そして彼は再び浮き世の中に出て来た。グローリーは女優として成功した。ロバートはストームの維持していた小さい教会を買収して彼を追出し、かつストームがある一日の深夜ロンドンが神の怒りに触れて破滅すると預言したと云いふらした。その日は来た。恐怖に怯えた市民はトラファルガー広場に集まって破滅の来るのを待ったが、勿論何の変化の起ろう筈もない。市民の安堵は憤怒と変じた。ストームは熱狂せる市民に石を投げられ踏み躙られて重傷を負ったが、グローリーは彼に感化されて真面目な心に立ちかえり、彼を死の床に看護する。ストームは幸福な微笑を浮かべたまま死んで行った。

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