銀鱗に躍る

解説

かつても映画化されたことのあるレックス・ビーチ原作のアラスカ小説「白銀の魚群」のトーキー化で、「火の翼」と同じくウォーレス・スミスが脚色して台詞を書き、ジョージ・アーチェンボードが監督に当たり、レオ・トーヴァーがカメラを受け持っている。出演者は「桃色の盗賊」「暗い部屋」のイヴリン・ブレント、「南海の却火」「火の翼」のジョエル・マクリー、「西部戦線異状なし」のルイス・ウォルハイム、「珍暗黒街」のジーン・アーサー、「戦時特務機関」のギャヴィン・ゴードン、「西部鉄拳王」のレイモンド・ハットン等である。

1930年製作/アメリカ
原題または英題:The Silver Horde

ストーリー

ボイド・エマーソンはフレイザーと共に雪中を彷徨した挙げ句、アラスカのある漁業地にたどり着き、そこでチェリイ・マロットという女の家に厄介になる。チェリイは若々しく男性的なボイドに少なからぬ好意を寄せたのであった。彼女の口から出たこの土地の様子--フレデリック・マーシュという男が漁業を独占していて外来者は全然寄せ付けない--ということは若いボイドを憤慨せしめた。チェリイの話によるとジョージ・ボルトという男もマーシュの悪らつな脅迫を受けてついに事業を奪われてしまい、マーシュを殺そうと考えているとのことであった。チェリイはボイドを説いて、自分たちが協力してボルトを後援し彼の漁業を再建しようとの計画を立てた。その第1歩として銀行家トム・ヒリアードに資金の融通を頼むことに決まった。ボイドはボルトと共に町へ赴いてヒリアードに相談し、その承諾を得ることができた。ついでにボイドは恋人のミルドレッドの許を訪れた。ところがミルドレッドの父親ウェイランドと親交あるマーシュは、ミルドレッドに対する横恋慕からの嫉妬も手伝って、ボイドの計画を妨害し、金融の道を杜絶させてしまった。しかしマーシュの妨害もチェリイの奔走によって解決した。やがて漁獲期が来ると、マーシュ側とボルト側の漁船隊の間には激しい闘争が行われたが、ボイド等の勇敢さはついに勝利をもたらした。ミルドレッドはボイドの後楯にチェリイが控えていることを快からず思い、チェリイの悪口雑言を並べ立てた。チェリイはボイドを愛していたが自分の身の上を思えば処女たるミルドレッドにボイドを譲るべきだと、諦めた。しかしボイドは侠気あるチェリイのさっぱりした気性が好きだった。そしてその好意がいつか真実の恋になっていることを気付いたのである。もう自分の許へは帰ってこない人となったボイドを想ってさすがに涙を浮かべているチェリイの許に、想い懸けなくボイドがやってきて愛を告白された時、彼女は夢かとばかり喜んで、ボイドの強い抱擁に酔ったのであった。

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