金髪より黒い髪
解説
ハワード・アーヴイング・ヤング氏作の喜劇「ハーバートに非ず」を映画化したもので、フランセス・エイニュー女史が脚色し、「荒み行く女性」「死線を潜りて」「山だし娘」等と同じくハワード・ヒギン氏が監督した。主役は「燃ゆる唇」「死線を潜りて」等出演のベン・ライオン氏が演じ、相手役は「狂乱船」「南海の孤島」等出演のボーリン・スターク嬢で、ヴアージニア・リー・コービン嬢、ダイアナ・ケーン嬢、ロイド・ウィトロック氏、サム・ハーディー氏、等が助演している。
1927年製作/アメリカ
原題または英題:The Perfect Sap
ストーリー
金持ちの息子ハーバートは別にすることもない身分だったが、探偵になるのが望みで毎日その研究ばかりしていた。やがて私立探偵社からの講義録によって、探偵たるには犯罪研究が必要であること、盗賊そのものをよく知ることが第一であると教えられたハーバートは、盗賊気分を味わうためにある夜召し使いのフレツチャート共にある家へ忍び込んだ。ところがその家の金庫の前には既に二人の先客、ジョージとその相棒の女賊ポリーとが仕事をしていた。ジョージはハーバートを有名な悪漢コーポラルだと思い込んだが、一同は警官の目を逃れるために、一先ずハーバートの隠れ家へ引き上げた。一方ハーバートの本宅にはトレーシーという男が、ハーバートの姉ロベルタの婚約者として出入りしていたし、ハーバートの家に来客として遊んでいるお転婆娘のルスは、ハーバートに岡惚れして何とかして物にしようとしていた。その頃ロベルタの髪飾りが見えなくなったが誰か盗んだものか解らなかった。ハーバートはジョージの紹介で悪漢トニーと共に、自分の家の仮面舞踏会の夜自分の家の家実たる実石を盗む相談に乗った。トニーはハーバートをコーポラルと信じていたのだが、ハーバートはトニーが自分の姉ロベルタの婚約者トレーシーの正体と知って驚いたが何食わぬ顔で舞踏会の夜を待った。胸に一物あるハーバートは仮憂を被ってトレーシーと共に金庫を開けたが、機会を見てトレーシーを盗んだのもトレーシーの仕業と判り、彼は一味のルスと共に法の裁きを受けた。素人探偵として功名を評したハーバートは、その後改心して女流新聞記者になっていたポリーと結婚した。
スタッフ・キャスト
- 監督
- ハワード・ヒギン
- 脚本
- フランセス・エイニュー
- 原作戯曲
- ハワード・アービング・ヤング
- 撮影
- ジョン・W・ボイル