兄弟はみな勇敢だった

劇場公開日:

解説

「黒騎士」と同じくパンドロ・S・バーマンが製作し、リチャード・ソープが監督したテクニカラー海洋劇1953年作品。ベン・エイムズ・ウィリアムズの小説を「陽のあたる場所」のハリー・ブラウンが脚色した。撮影は「百万弗の人魚」のジョージ・フォルシイ、音楽は「アスファルト・ジャングル」のミクロス・ローザの担当。主演は「クオ・ヴァディス」のロバート・テイラー、「悲恋の王女エリザベス」のスチュワート・グレンジャー、「世界を彼の腕に」のアン・ブライスで、「聖衣」のベッタ・セント・ジョン、「三銃士(1948)」のキーナン・ウィン、「アスファルト・ジャングル」のジェイムズ・ウィトモア、「リリー」のカート・カズナー、「ゼンダ城の虜(1922)」のルイス・ストーンらが助演する。オリジナル版は101分。

1953年製作/95分/アメリカ
原題または英題:All the Brothers were Valiant
配給:MGM映画会社
劇場公開日:1954年4月1日

ストーリー

マサチューセッツ州の漁港ニュー・ベッドフォードに住むショア家は代々捕鯨にたずさわり、男たちはみな海に死んだ。同家の航海日誌はいつも『兄弟はみな勇敢だった』という言葉で結ばれていた。ところがこの一家に面白くない事件がおきた。捕鯨船ネイザン・ロス号の船長として乗り込んだマーク・ショア(スチュワート・グレンジャー)が謎の失踪をとげ、2年余の間消息不明となったのだ。ショア家を信頼する船主エイサ・ワースンは、マークの弟ジョエル(ロバート・テイラー)をネイザン・ロス号の船長に任命した。ジョエルは幼馴染みのプリシラ(アン・ブライス)と結婚して、共々マークを探す航海の途にのぼった。捕鯨をつづけながら船は、6ケ月ぶりでギルバート諸島のテュブアイに錨をおろした。そこへ思いがけなくマークが姿を現わし、ジョエルに問われるままに、不思議な体験を物語った。ーひどい熱病にかかっていたマークは、原住民の太鼓の音に誘われるように海へとびこみ、島にたどりついてそのまま意識を失った。気がついてみると、枕許に可愛い原住民の女(ベッタ・セント・ジョン)がつきそっていた。島の習わしで2人は結婚した。マークはまた熱病をぶりかえし、悪夢につかれて3人の白人と争い、かれらと奇妙な関係を結ぶことになった。マークは妻と3人の白人と一緒に真珠採取に出かけ、大真珠を見つけたことから仲間争いをおこし、白人たちは死に、マークの妻は原住民の槍に殺され、採取した真珠は海中に落ちてしまった。マークは原住民に追われて急いで逃げ帰って来たのだった。ージョエルはマークの失踪が熱病のためと知って安心した。だがマークは捨てた真珠をひき上げに行くと主張し、ジョエルは断乎これを拒否した。この話は忽ち船中にひろがり、船員たちはマークに擁して叛乱を起し、プリシラまでが夫を優柔不断だと非難した。閉じこめられたジョエルは、扉を破って船員たちに闘いを挑んだ。だが孤立のジョエルは危機に追いこまれた。マークはやはり弟の危機を見捨てるに忍びず、彼の味方に立って殺された。平和はよみがえり、プリシラは夫に自分の不明を詫びた。

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