女は嘘つき
解説
「虎御前」「河宿の夜」のホバート・ヘンリーの監督作品でジョン・ミーハンの原作から「喝采」「嫉妬」のギャレット・フォートが脚色し、ミーハン氏自信が台詞をつけ「シャーロック・ホームズ(1929)」のウィリアム・スタイナーが撮影したもの。主役を演ずるのは「新聞記者」、「ヴァージニアン(1929)」のウォルター・ヒューストン「壁の穴(1929)」のクローデット・コルベール、「春宵巴里合戦」のチャールズ・ラグルズの三人でほかにパトリシア・ディーアリング、トム・ブラウン、ベティー・ガード、等が出演している。
1929年製作/アメリカ
原題または英題:The Lady Lies
ストーリー
ボッブとジョーの2児を遺して妻に先立たれたロバート・ロシターは前途のある辯護士だった。或る日彼はジョーに誕生日の記念品を買ってやろうと5番街の店へ入った時そこに働らくジョイスという女性を見出した。彼女は育ちこそ高くはなかったが淑やかで總明な性質の女だった。彼女のこうした特徴がロバートの心を惹いたことは言うまでもない。2人は何時からともなく親しい言葉を交わす間柄となっていた。復活祭の休みで子供たちが帰って来た。伯父に当たるタットル夫妻も訪れた。ところが詮索好きなタットル夫妻はたちまちロバートとジョイスとの情事を嗅ぎ出して所もあらうに子供たちの面前でその問題をぶちまけたのであった。父親が出て行った後心配になったボッブは口実をつくってジョイスを邸に来るようにと電話をかける。彼女が訪るや子供たちは伯父から聞いたことを話し、出来ることなら伯父たちがきめたアンという婦人と父とを結婚させたいと思うのだからどうかこの家庭を壊すようなことはしないで呉れと言う。その夜ジョイスの下宿を訪れたロバートも折角こうした仲にはなったけれど事情のためには別れねばならないと悲壮な面持で物語った。しかし此の時、父の問題に就いてとつおいつ考へ抜いた子供達がこの意外な塲所に現われた。そして言うことには伯父や伯母のきめたアンよりもジョイスの方を母とした方が自分たちも幸福になれると思うと語るのであった。この子供たちの、前とは恰で変わった考へ方はロバートとジョイスに一道の光明を與へた。2人は子供たちに励まされて心を決めた。そして真面目な考を持つジョイスはロバート父子に適はしい家庭をつくろうと誓うのであった。
スタッフ・キャスト
- 監督
- ホバート・ヘンリー
- 脚色
- ギャレット・フォート
- 原作
- ジョン・ミーハン
- 台詞
- ジョン・ミーハン
- 撮影
- ウィリアム・スタイナー