オフィスワイフ
解説
「海の巨人(1930)」「シンギング・フール」をものしたロイド・ベーコン作の小説にもとづいて「ショウ・ボート(1929)」「嵐に咲く花」のチャールズ・ケニヨンが脚色して台詞をつけたもの。主演者は「大親分」「恋の大分水嶺」のドロシー・マッケールと「不死鳥」「恋多き女」のリュイス・ルイス・ストーンで、「アパートの殺人」「ハヴァナから来た女」のナタリー・ムーアヘッド、「悪魔の日曜日」のホバート・ボスウォース、「命を賭ける男(1930)」のブルックス・ヴェネディクト、ウォルター・メリル、ジョーン・ブロンデル等が助演している。
1930年製作/アメリカ
原題または英題:The Office Wife
ストーリー
大きな出版社の社長をしているローレンス・フェロウズは事業に熱中するあまり、中年にたっしてもなお独身であった。社長秘書をしているアンドルースという老嬢は心秘かに社長に恋していて、社長の職務上の事ばかりでなく社長の健康だとか身のまわりの事だとかにも細心の注意を払って世話を焼いていた。ある夜フェロウズ社長に近く結婚することを告げられたアンドルースは失望の極失神し、翌日辞職してしまった。社長秘書の椅子は総務部詰めだった美しい速記者のアン・マードックに与えられた。彼女は社長のお目にとまるようにあらゆる手段を施したが社長は多忙で彼女にほとんど注意をはらわなかった。しかし時とともに彼女はオフィス・ワイフの地位を確保して社長の仕事と健康とに世話をするようになった。そうしているうちにアンは社長にはリンダという夫人があることを承知していながら社長に恋を感じ始めた。しかもアンは若い記者のテッド・オハラと婚約さえも結んでいるので、我ながら社長に傾いていく自分の気持ちを不思議に思った。かくてフェロウズはいよいよアンなしでは生活してゆけなくなり妻のリンダと一緒に海岸へ行く時にもアンを伴った。テッドは気をもんでアンを迎えに行き連れ帰った。その際テッドがアンに接吻するのをフェロウズは見逃さなかった。翌日アンは社長が新しい秘書を求めていること、その原因はアンが結婚するのだと思い込んだこと、をしったので結婚の意思がないことを誓って秘書の地位を失わずに済んだ。その後フェロウズは旅行して旅行先からアンを呼びよせて侍らせた。社長夫人リンダは良人が仕事にアンとともに没頭している暇にジェームソンという若い男と近づいた。フェロウズは自分がアンに恋をしているということをようやく気づいた。それにリンダも気がついたアンはじぶんがフェロウズを恋する気持ちが次第に高まって抑えきれなくなる危険を感じ出したので遂にテッドと結婚する日を決め、社長のもとに辞表を出した。その同じ晩にリンダはパリへ行って離婚手続きをしてジェームソンと結婚する心算だと良人に告げた。アンが結婚式を挙げる前夜フェロウズが翌日旅行に出るのでおそくまで事務所に残っていた。夜半近くなったが2人とも去り兼ねた。そしてフェロウズは妻と別れることをアンに打ち明けた。テッドはアンの帰りが遅いので妹のキャサリンのもとに電話をかけた。キャサリンはアンが婚約を破ったとフェロウズに電話をかけた。かくてようやくアンの心を知ったフェロウズはアンを抱いた。
スタッフ・キャスト
- 監督
- ロイド・ベーコン
- 脚色
- チャールズ・ケニヨン
- 原作
- フェイス・ボールドウィン
- 台詞
- チャールズ・ケニヨン
- 撮影
- ウィリアム・リース
- 編集
- George March