鴛鴦の舞

解説

かつてユナイト社で「紅白乱舞」を作り米国ヴォードビル界にその名を知られているダンカン姉妹が主演する映画である。バイロン・モーガン及びアルフレッド・ブロックが合作した脚本に基づき、ウィラード・マックが台本を執筆し、「世界に告ぐ」「スポーツ王国」のサム・ウッドが監督した。助演者は「熱愛戦線」「歓楽の孤児」のローレンス・グレイ、「悪魔の日曜日」のジェッド・プラウティー、「歓楽の孤児」野ベニー・ルービンでカメラは「破誡」「ダイナマイト(1929)」のペヴァレル・マーレー担任。

1929年製作/アメリカ
原題または英題:It's a Great Life

ストーリー

ケーシーとベーブはニューヨークの一百貨店に働く姉妹の店員だった。姉妹と同じ店に働くジミーという青年はベーブと共に音学部に努めていた。例年催される店の祝いの日に、ジミーは余興係を任せられたが、ケーシーは当日店主を侮辱せる行為のゆえをもって店から注意をうけた。ケーシーを叱責したパーカーという店の重職にある男は、その実ケーシーを恋していた。ケーシーも憎からず思っていたが、余興のボードビルの問題から遂に三人とも解雇された。ケーシーはジミーとの感情のもつれからジミーが興行界に乗り出して舞台に出ることについて自分が加わるということは好ましくなかった。しかし愛する妹のことを思って承諾し、3人が共演してパレース劇場に雇われた時は人気湧くが如き盛況であった。しかしこの盛況は決して彼らを幸福にしなかった。ジミーには自己の意見があったが採用されず、ケーシーの採った手段に憤慨した。しかしケーシーの意見にも理があった。2人は激しく争った。そしてケーシーがジミーの解雇を告げれば、ジミーとベーブが結婚したことも聞かされさすがに彼女も呆然とした。ジミーとベーブはケーシーと別れてある劇場の舞台に出たが全然失敗に帰した。ケーシーは依然同じ劇場に出演し、彼らよりも成績が良かったが、ホーガン姉妹として売り出してこそ興行成績が良かったこととて妹と別れたことは彼女のためにも良い結果をもたらさなかった。ジミーは又自分の失敗から、妻のベーブが気の毒になり、彼女にケーシーの許へ帰るよう勧め2人はケーシーを訪れた。しかしジミーとケーシーの仲は、ベーブの忠告にもかかわらずうまくゆかなかった。その頃からベーブは病床にふしかなり危険の容体になった。ケーシーはパーカーから説かれて欧州にゆくことに心を動かされたが、直ぐにも結婚してくれと言われ、ジミーとは反目の間柄であるが妹の身の上が思われてそれは出来なかった。ベーブはケーシーが見舞いに来たのも判らぬほど意識の明瞭をかいていた。そしてベーブは3人の仲良い舞台姿を心に描いてうわ言を言いジミーとケーシーの涙をさそった。はかない幻想を追っている哀れな妹の姿を見たケーシーは自分の全ての感情を捨てて妹夫婦と共に再び舞台に立とうと決心するのであった。

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