「本作はあだやおろそかにしてはなりません 全ての魔女もののルーツです」奥様は魔女(1942) あき240さんの映画レビュー(感想・評価)
本作はあだやおろそかにしてはなりません 全ての魔女もののルーツです
1942年白黒作品
ルネ・クレール作品ですが、米国で撮られています
1935年に英国に移り、戦争が始まると米国に移ったそうです
戦後フランスに戻るまで、ハリウッドで本作を含めて4本撮っています
改めて観て驚くのは、その先進性です
軽妙なコメディ進行、ヒロインの魔女ジェニファーの造形の現代性
1950年代のテレビ番組のように垢抜けているのです
10年以上先進な映画だと思います
ジェニファー役を演じたヴェロニカ・レイクのキュートさ!
この時代にこのようなコケティッシュな女性をよくぞ探しだして演じさせたものです
小柄で細くて腰も横に張っていません
でも胸だけは前に突き出ています
横分けの金髪の巻き毛が豪華です
グラマーではなくキュートなのですが、セクシーでもあるのです
このような女優は1960年代後半にならないと現れて来ないタイプです
ミア・ファローをセクシーにしたら彼女のようになるかも知れません
ラストシーンジェニファーが産んだ娘達が登場します
このシーンにご注目
メイドのマーガレットがお転婆過ぎて困っている幼女は箒に跨がっています
彼女の名前はサマンサでした
1964年から1972年の8年も続いた本作が元になったテレビシリーズの魔女の奥様の名もサマンサでした
テレビシリーズは幼女サマンサが成長してのお話だったのかも知れません
でも魔女のちょっと意地悪おばあちゃんの名前はエンドラなので、サマンサの名前だけ借りているだけですね
それでも本作を知っているならニヤリとする名前です
本作が無かったら、このテレビシリーズはもちろん有りません
そうなると大変です
魔法使いサリーも、魔女っこメグも、魔女の宅急便まで丸ごと魔女のジャンルが消えて無くなってしまうのです!
だから本作はあだやおろそかにしてはなりません
全ての魔女もののルーツです