奥様は魔女(1942)

劇場公開日:

解説

フランスから英国を経て渡米したルネ・クレールの「焔の女」に次ぐ1942年作品。ユーモア作家ソーン・スミスの原作を、ロバート・ピロッシュとマーク・コネリー(「スケルトンの映画騒動」)が脚色、「窓」の監督者テッド・テズラフが撮影をロイ・ウェッブが音楽を担当している。主演は「我等の生涯の最良の年」のフレドリック・マーチ、「初恋時代」のヴェロニカ・レイクで、ロバート・ベンチリー、セシル・ケラウェイ、スーザン・ヘイワードらが助演する。

1942年製作/アメリカ
原題または英題:I Married a Witch
配給:セントラル
劇場公開日:1951年3月6日

ストーリー

先祖代々ウォーリー家では魔女に祟られて来た。当主ウォレス・ウォーリー(フレドリック・マーチ)は州知事選挙に打って出ようとする新進政治家、新聞社長の娘エステル(スーザン・ヘイワード)と婚約の間柄であったが、魔女ジェニファー(ヴェロニカ・レイク)は父ダニエル(セシル・ケラウェイ)の命令で彼に魔法をかけるため、箒にまたがって彼に近づいた。ウォレスとエステルの結婚式当日、ジェニファーはウォレスに飲ませようとした「ほれ薬」をふとしたことから逆に自分が飲む羽目に陥り、たちまち彼女は彼に恋してしまった。その騒ぎで怒り出した花嫁側は引き揚げてしまい、ジェニファーは父ダニエルの嘆きをよそにウォレスと新家庭を持つことになった。神通力をもったウォレスは選挙戦にも大勝し、二人の仲を割こうとするダニエルもジェニファーによってウィスキー壜の中に閉じこめられて、二人は末長く幸福に暮羅すことが出来るようになったが、娘のジェニファー二世の箒にまたがるクセだけはなおらないのであった。

全文を読む(ネタバレを含む場合あり)

スタッフ・キャスト

全てのスタッフ・キャストを見る

受賞歴

第15回 アカデミー賞(1943年)

ノミネート

作曲賞(ドラマ/コメディ) ロイ・ウェッブ
詳細情報を表示

映画レビュー

4.0無邪気で純粋なスクリューボール・コメディだ。

2024年10月27日
PCから投稿

公開当時(1942年)にしては、かなり先進的でセンスに満ちた映画で、魔女と人間の男性の恋を、軽妙でお洒落に描いたのが、フランス人監督ルネ・クレールらしいかなと。 本作は、魔女狩り裁判として実際に起きたセイラム魔女裁判(1692年-1693年)を元にしていて、灰となって閉じ込められた魔法使いと魔女の父娘が、自分たちを火あぶりにした清教徒とその子孫に罰を与えるべく、呪いをかける話になっている。 ヒロインが、悪意を持って罰を与えようとした人間の男性に、かえって恋をしてしまうところが面白い。男性が州知事を目指し、有力支援者と結婚直前だった話を、巧みに絡めている。 明るくカラッとしたロマンスと、遊び心に満ちた魔術が楽しく盛り込まれている。無邪気で純粋なロマンティック・ファンタジーだが、お笑いの要素も強いスクリューボール・コメディだ。

コメントする (0件)
共感した! 1件)
瀬戸口仁

3.0クソ真面目に独立をしたプロテスタントに対するアイロニー。

2024年7月12日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD
ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする (0件)
共感した! 1件)
When I am 75♥️

3.5テンポも良くてとても見やすい

2022年2月22日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

プライムで出会わなかったら決して見ることもなかった事であろう作品。 子供の頃ドラマ版をよく見たものですが、まさかこんな古い時からあった作品だったのですね? 冒頭いきなり魔女狩りな場面で怖い。子供の時みたアメリカンホームコメディーなテイストはどこへ?ってなります。 でもこの復習となる骨子が実に巧妙に生かされており、導入のエピソードとしてはかなり良く出来ていました。 用意した惚れ薬を自信が飲んでしまった辺りの演出など、何とも可愛さに溢れているんですよね。 あと、お父さんの酒瓶にいる時の「わしの楽しみと言ったらこの中にいる時だろうな、最高な気分だよ」が酒呑みにはすっごいよくわかります!幸せだろうなぁ。 終わってみると、メイドさんが一番真っ当な人に見えました。 テンポも良くてとても見やすい構成。2022年の今でも飽く事なく観れる、実に爽快な作品でした。

コメントする (0件)
共感した! 2件)
白波

5.0本作はあだやおろそかにしてはなりません 全ての魔女もののルーツです

2021年8月9日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

1942年白黒作品 ルネ・クレール作品ですが、米国で撮られています 1935年に英国に移り、戦争が始まると米国に移ったそうです 戦後フランスに戻るまで、ハリウッドで本作を含めて4本撮っています 改めて観て驚くのは、その先進性です 軽妙なコメディ進行、ヒロインの魔女ジェニファーの造形の現代性 1950年代のテレビ番組のように垢抜けているのです 10年以上先進な映画だと思います ジェニファー役を演じたヴェロニカ・レイクのキュートさ! この時代にこのようなコケティッシュな女性をよくぞ探しだして演じさせたものです 小柄で細くて腰も横に張っていません でも胸だけは前に突き出ています 横分けの金髪の巻き毛が豪華です グラマーではなくキュートなのですが、セクシーでもあるのです このような女優は1960年代後半にならないと現れて来ないタイプです ミア・ファローをセクシーにしたら彼女のようになるかも知れません ラストシーンジェニファーが産んだ娘達が登場します このシーンにご注目 メイドのマーガレットがお転婆過ぎて困っている幼女は箒に跨がっています 彼女の名前はサマンサでした 1964年から1972年の8年も続いた本作が元になったテレビシリーズの魔女の奥様の名もサマンサでした テレビシリーズは幼女サマンサが成長してのお話だったのかも知れません でも魔女のちょっと意地悪おばあちゃんの名前はエンドラなので、サマンサの名前だけ借りているだけですね それでも本作を知っているならニヤリとする名前です 本作が無かったら、このテレビシリーズはもちろん有りません そうなると大変です 魔法使いサリーも、魔女っこメグも、魔女の宅急便まで丸ごと魔女のジャンルが消えて無くなってしまうのです! だから本作はあだやおろそかにしてはなりません 全ての魔女もののルーツです

コメントする (0件)
共感した! 1件)
あき240