劇場公開日 1965年7月3日

「物凄いものを観た」丘 あき240さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0物凄いものを観た

2019年3月25日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

圧巻です
とんでもないものを観たとしか言い様がありません
凄まじい脚本です
そしてコネリーを初めとする役者達の、その演技たるや言葉を失います
そして白黒の特性を活かした陰影ある撮影
見事です

本作を観たならば、フルメタルジャケットの教官の罵倒シーンすら生ぬるく感じてしまうでしょう
そしてそれに立ち向かう各人の人間性の様々

陸軍刑務所という特殊な世界の様で日本の企業も同じではないでしょうか
超一流企業と言われる巨大メーカーが起こした不適切決算と呼称してマスゴミまでも誤魔化そうとした忖度した巨額粉飾事件はまさに本作の世界のことではないでしょうか
あの企業のなかに本作の登場人物もいたのではないしょうか
死んでしまうスチーブンスも、司令官も、所長も、ウィリアムズもハリスも、黒人のジャッコ・キング も、ロバートも、証言を拒む同僚も、不正を糺す戦いから逃げる仲間も

丘とは、あの企業の社長達が指示したチャレンジそのものです
いまもそんな企業はあるはず
あなたは本作の登場人物の誰に当たるのでしょうか?

極限において本当の人間性が露になる
そして最後の最後にやりきれないラストシーン
エンドマークが出た時に私は放心していました
名作中の名作です
流石はシドニー・ルメット監督の代表作と言えるでしょう

あき240