夫の日記
解説
「フリスコ・ジェニー」と同じくルース・チャッタートン出演映画で、ジャック・デュヴァル作の戯曲を「吾は愛せり」のチャールズ・ケニヨンが「流行の王様」のF・ヒュー・ハーバートと共同脚色し、「女囚の意気地」のウィリアム・ケイリーが監督し、「五十六番街の家」「巨人ジョーンズ」のアーネスト・ホーラーが撮影を担当した。相手役は「戦場よさらば」「十三日の殺人」のアドルフ・マンジュウが勤め、「異人種の争闘」のクレア・ドッドを始め、ジョージ・バービア、ノエル・マディソン、ダグラス・ダンブリン等が助演している。
1934年製作/アメリカ
原題または英題:Journal of a Crime
ストーリー
劇作家ポール・モレーは女優オデットに恋していた。ところが彼女は栄達のために彼を利用してるだけだったので、奥さんと離婚しなければいや、と無理難題をふっかけた。モレーの妻フランソアーズは夫の恋を気付いて激しい嫉妬に逆上せんばかりだったが、知らぬ顔で夫の心を自分に向かせようと努めた。それが無駄だと知ったとき彼女は劇場に忍び入り、舞台稽古中のオデットを狙撃して誰にも見咎められずに自宅に帰った。折から、銀行員殺しの強盗コステリが劇場に逃げ込んだので彼がオデットを殺したものと認められて捕縛された。ポールはしかし凶器の拳銃から妻が下手人であることを知り、妻に自首せよと言ったが彼女は拒んだ。かくて夫妻は表面は夫婦として他人同志の生活を始めた。フランソアーズは不幸だった。殊にコステリがオデット殺しの罪を被せられてるのが辛かった。遂に彼女は検事総長が友人であるのを利用してコステリを獄中に訪れ、オデット殺しを告白した。しかしコステリはどうせ自分は死刑だから貴女は黙っていよと却って慰めた。しかしコステリが2つの殺人罪で絞首の刑になるとの新聞を見ると堪らなくなり、検事総長のもとへ告白に赴いた。その途中、自動車に轢かれそうになった子供を救おうとしてフランソアーズは大怪我をした。そのために彼女は記憶を喪失してしまった。ポールはオデットに夢中にはなったが、もともと妻を愛していたので、彼女が良心に苛なまれている姿を見ているうちに再び愛するに至った。そこでポールは南フランスの別荘に妻を伴って改めて彼を愛することを教えるのであった。
スタッフ・キャスト
- 監督
- ウィリアム・キーリー
- 脚色
- F・ヒュー・ハーバート
- チャールズ・ケニヨン
- 原作
- ジャック・デュヴァル
- 撮影
- アーネスト・ホーラー