夫の休息日
解説
「二十四時間」「沈黙(1931)」のクライヴ・ルックと「春ひらく(1931)」のヴィヴィエン・オスポーンとが共演する映画。原作はアーネスト・パスカル作の小説で、原作者自身とヴァイオラ・ブラザース・ショーアの二人が共同脚色し、「恋の素顔」「ダミー」らロバート・ミルトンが監督し、「沈黙(1931)」「春ひらく(1931)」のチャールズ・ロシャーが撮影にあたった。助演者として「陽気な中尉さん」「のんきな叔母さん」のチャールズ・ラグルズ、「忍び寄る心」「鉄壁の男」のリエット・コンプトン、ハリー・バニスターその他が登場する。
1931年製作/アメリカ
原題または英題:Husband's Holiday
ストーリー
ジョージ・ボードは妻メリーと二人の子供とニューヨークの郊外にささやかな家庭生活を営んでいた。彼はもちろん、妻を愛していた。しかし一人の若い女クリスティンの誘惑を退けることが出来ず、秘かに関係を続けていた。メリーには二人の妹があったが両親が仲違いして離婚してしまった後は親たちへの同情からそれぞれ父と母との側に別れ、孤独な父親はメリーの家庭へきて可愛い孫を相手に淋しさをまぎらしていた。ジョージは不自然な愛欲生活を精算すべく妻にすべてを打ち明けて離婚を求めたが、メリーは夫の一時の出来心から家庭を破壊してしまうことは出来ないとこれを拒絶した。ジョージは仕方無く家庭を明けてクリスティンと同棲を始める。メリーは母親や妹から、こうした踏み付けられた結婚生活を捨てて離婚することをすすめられるが、何時かは夫が自分の胸に帰ってくることを信じ、二人の子供と淋しく家庭を守っていた。ある日ジョージはクリスティンに強いられてメリーから離婚の承諾を取るべく両人で我が家に妻を訪れる。ジョージは子供たちと遊んでいる間にクリスティンはジョージの児を宿して近く母親になる身だと偽り、とうとうメリーを諦めさせてしまう。それと知らないジョージは打って変わった冷淡な妻から離婚の承諾を聞いて驚く。こうしてジョージとクリスティンの新しい生活は始められたが両人の間には次第に溝が生じ、ある日クリスティンはジョージと口喧嘩から毒を仰いで病院に運ばれる。幸いに生命は取りとめたが、その後の両人はただ恋の残骸を並べた醜い生活を続けるにすぎなかった。やがてクリスマスの晩。妻と子供たちとで送った過ぎし日のクリスマスの楽しい思い出を抱いてジョージは子供たちに会うべく妻の家を訪れ、メリーからクリスティンの手紙を見せられる。それは前非を悔いてメリーに許しを乞い、ジョージが再び家庭に帰ることを望んだものだった。夫の休息日は終わった。すべてを許し許されたメリーとジョージの間に再び幸福な家庭生活が始まる。
スタッフ・キャスト
- 監督
- ロバート・ミルトン
- 脚本
- アーネスト・パスカル
- ビオラ・ブラザース・ショア
- 原作
- アーネスト・パスカル
- 撮影
- チャールズ・ロシャー