運命の饗宴(1942)のレビュー・感想・評価
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六つの運命の饗宴‼️
デュヴィヴィエ監督が戦時中にアメリカで製作したお得意のオムニバス映画‼️さすがに最高傑作「舞踏会の手帖」の神格さに比べると落ちますが、今作もホントに良く出来てる‼️今作では一着の燕尾服にまつわる六つのエピソードから構成‼️ある舞台俳優が昔の恋人とヨリを戻そうとするが、恋人の亭主に撃たれる‼️燕尾服に入っていた浮気相手からのラブレターを婚約者に見つかってしまった男が、友人に自分の燕尾服だと嘘を言ってくれと頼む‼️ようやく晴れの舞台に立つことが出来る音楽家が、質屋で手に入れたちょっと小さいサイズの燕尾服が拍手喝采を生む‼️大学出の浮浪者が同窓会に出るため燕尾服を着るが、同級生たちに嘘がバレてしまう‼️燕尾服を着てココナッツミルクの詐欺をする男‼️カジノを襲った強盗が燕尾服のポケットに大金を入れて飛行機で逃走、しかし飛行機が炎上、燕尾服と札束は地上へ落ち、黒人労働者たちはビックリ‼️こんな六つのエピソードに、ハリウッドの超豪華俳優陣が結集‼️燕尾服を狂言回しとして、人間の愛情やズルさ、ひたむきさ、正直さ、温かさといった人間性や人生が表現された素晴らしい作品ですね‼️中でも大学出の浮浪者にエドワード・G・ロビンソンが扮するエピソードが特に感動的でした‼️
豪華スターの競演
裁断師が呪いの言葉を浴びせた夜会服の行方と
それに袖を通した人々の運命を描く
人気舞台俳優(ボワイエ)が自分用にあつらえた服が
彼の不幸のあと、その境遇や体型、雰囲気も違う
人々の所にゆき、しっくりとはいかなかったりするのだが
彼等の人生の方は好転(しっくり)させていく
悪事は邪魔する
私はボワイエが印象的だった
危機に際してもハッタリをかます(演技をする)
職業柄、行動を計算し尽くしている彼が
大根女優だったらしい女の不実と
その真意を見抜けなかったことに苛立ちを見せ
氷のような冷たい表情を一瞬、よぎらせる
そして撃たれながらも、演技(ハッタリ)を押し通し
その出来に満足したりする
美しい大根の心根も確認出来たから
不幸でなく幸いなのか?
アメリカのフィルムノワールの悪女みたいな女
(ヘイワース←お腹が見えるドレスが素敵!?)のあとに
いかにもアメリカ娘らしいロジャースが登場してくるのも
面白かった
豪華スターの競演で各々の個性の他に
そのアクの強さみたいなものも感じられて
興味深かったです
ラストの黒人の描き方にポール・ロブソンと
エドワード・G・ロビンソンから批判が出たみたいですが
夜会服の終焉の場所があそこですから
私は〈落としどころ〉という日本語を思い浮かべました
ジュリアン・デュヴィヴィエのアメリカ時代の名作
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