運命の饗宴(1942)のレビュー・感想・評価
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豪華スターの競演
裁断師が呪いの言葉を浴びせた夜会服の行方と それに袖を通した人々の運命を描く 人気舞台俳優(ボワイエ)が自分用にあつらえた服が 彼の不幸のあと、その境遇や体型、雰囲気も違う 人々の所にゆき、しっくりとはいかなかったりするのだが 彼等の人生の方は好転(しっくり)させていく 悪事は邪魔する 私はボワイエが印象的だった 危機に際してもハッタリをかます(演技をする) 職業柄、行動を計算し尽くしている彼が 大根女優だったらしい女の不実と その真意を見抜けなかったことに苛立ちを見せ 氷のような冷たい表情を一瞬、よぎらせる そして撃たれながらも、演技(ハッタリ)を押し通し その出来に満足したりする 美しい大根の心根も確認出来たから 不幸でなく幸いなのか? アメリカのフィルムノワールの悪女みたいな女 (ヘイワース←お腹が見えるドレスが素敵!?)のあとに いかにもアメリカ娘らしいロジャースが登場してくるのも 面白かった 豪華スターの競演で各々の個性の他に そのアクの強さみたいなものも感じられて 興味深かったです ラストの黒人の描き方にポール・ロブソンと エドワード・G・ロビンソンから批判が出たみたいですが 夜会服の終焉の場所があそこですから 私は〈落としどころ〉という日本語を思い浮かべました
ジュリアン・デュヴィヴィエのアメリカ時代の名作
1930年代のペシミズムは遠く、アメリカナイズされたユーモアとシニカルさが程よく相まって楽しい作品。一着の燕尾服が人から人へ廻り回って落ち着くまでの、様々な人間模様が織り成す全6話のオムニバス。第三話のチャールズ・ロートン、第四話のエドワード・G・ロビンソンが、特に感動的だ。ストーリーテラーの名手デュヴィヴィエの本領発揮のアメリカ映画。
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